日本株は「過熱し過ぎ」なのか?
与党の大勝利となった衆議院選挙を終えて迎えた今週の株式市場ですが、これまでのところ、日経平均の株価水準は急ピッチで切り上がる展開となっています。
先週末2月6日(金)の日経平均の終値は54,253円だったのですが、週明け9日(月)の取引では、一気に56,000円台まで上昇、翌10日(火)には57,000円台、そして、休場明けの12日(木)には58,000円台をつける場面を見せるなど、次々と節目の株価を上抜けていきました。
衆議院選で与党が圧倒的多数となったことによる政策推進力への期待が高まったことや、いわゆる「アンソロピック・ショック」で最近まで軟調な値動きだった、米国株市場のAI・半導体関連銘柄を中心とするテック株が買い戻される動きとなどが加わり、全面高の状況が続いた格好です。
こうした、「通常ではあまり考えられない」株価の急騰に伴い、当然ながら過熱感を指摘する見方も増えていますが、果たして、足元の株価上昇は異常なのでしょうか?
まず、テクニカル分析の視点で見ていくと、日足チャートからは上昇ピッチの速さが感じ取れます。例えば、株価と25日移動平均線との距離を示す「移動平均線乖離率」では、12日(木)の前場終了時点で、プラス7.04%の乖離となっています。一般的に乖離率がプラス5%を超えてくると過熱感があると言われているため、すでに足元の相場は過熱感を帯びていると言えます。
では、過去において、どこまで乖離が進んだのかをチェックすると、昨年10月31日のプラス8.94%、5月13日のプラス9.04%まで乖離する場面があり、これを基に試算すると、12日時点では58,000円台半ばまでの上昇はあり得そうです。
次に、株価水準とPERでも見ていきます。日経平均の昨年末終値は50,339円ですが、そこから10%上昇で、55,372円、15%上昇で57,889円、20%上昇で60,406円となり、足元の株価は15%上昇の水準を超えようとしている状況です。理論上の株価は、EPS(1株当たり利益)×PERで求められますが、2月10日時点のPERは20.83倍、日経平均58,000円で計算するとEPSは約2,784円です。昨年末はPERが18.99倍、日経平均が50,339円でしたので、EPSは2,650円となります。
つまり、現時点の株価はざっくり5%の利益成長を織り込んでいる水準、大納会のPERに合わせるのであれば15%の増益を見込んでいることになります。そのため、多少アグレッシブな見通しではあるものの、市場が期待している将来の利益成長が実現できるのであれば、現在の株価水準は「行き過ぎ」とは言い切れない面があります。その反面、その答え(実際の利益成長)が出るのはまだまだ先のことであり、現在の株価は将来を先取りし過ぎている面もあります。
したがって、ここまでの株価上昇はある程度の正当性があるものの、時間軸で見ればやや先走っていること、ここから先の株価上昇はさすがに利益成長への見通しについて強気になり過ぎかもしれないということになります。もちろん、市場の期待以上に利益成長が伸びる可能性が高まれば、日経平均の60,000円台超えも見えてきますが、現時点では「そろそろ株価の上昇が止まる可能性が高そう」と見るのが自然かもしれません。
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