必然的に手仕舞いのタイミングが早くなる荒っぽい展開の相場
相場の変動が非常に激しい。それだけマーケットで意識される不確実性が大きいということに他ならない。無理もないだろう。「昨日までの安全資産」が今日は「急落の主役」となる。そんな荒っぽい展開を目の当たりにすれば誰もがすくんでしまう。
ウォーシュ氏が次期FRB(米連邦準備制度理事会)議長に指名されたことを受けて1月末のマーケットには激震が走った。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物は前日比609ドル(11%)安と急落、下落率は約46年ぶりの大きさとなった。銀先物に至っては35ドル安と30%超の下落率を記録した。
まだ2月の第1週が終わったところだ。年が明けて1ヶ月と1週間しか経っていないのに、どれだけ多くの波乱があったことだろう。海外では米国発の地政学リスクのオンパレード。ベネズエラ急襲に始まり、グリーンランドを巡る欧州との対立、イランとの緊張の高まり。国内では衆院解散・総選挙、長期金利の急上昇に介入観測で円相場が乱高下する場面もあった。
「そんな荒っぽい展開を目の当たりにすれば誰もがすくんでしまう」と上述したが、つまりはポジションを長くホールドできないということだ。必然的に手仕舞いのタイミングが早くなる。日経平均を見ても、日中で前日比プラスとマイナスを行き来する値動きが増えているのもそういう背景があるのだろう。
年明け以降これまで経験してきた激しい展開を映して市場のボラティリティが高いわけだが、逆も真なりかもしれない。この高いボラティリティは、この先も波乱の展開が続くということを示唆しているのではないか。
市場のボラティリティが高い要因
要因を突き詰めれば政治的リスクということになるだろう。分かりやすいのは上述の米国発の地政学リスクだが、実はアメリカ国内の状況も相当にヤバいと思う。リスクは、ずばりICE(移民・税関捜査局:Immigration and Customs Enforcement)だ。ミネアポリスでの射殺で民間人の死者は2人目だ。見方によっては内乱状態とも言える。これをトランプ政権が力づくで鎮圧しようとして、偶発的にでもさらなる犠牲者が出た場合、重大な武力弾圧となりかねない。
自民党の大勝で相場が上がる場面があるなら売りが無難
さて、日本ではこの日曜日が衆院選の投開票日だ。前のレポートで「中道」について、「理念などなきに等しいのだから、最終的にそれほど票が伸びるとは思えない」と書いたが、実際にその通りの動きだろう。つまりは「敵失」だが、自民党が仮に大勝して、それで相場が上がる場面があるなら、そこはいったん「売り場」ととらえたほうが無難だと思う。

