PRONI(479A)SaaS、DX、AI領域でのマッチング成立件数拡大で成長目指す

2025/12/30

中小企業と課題解決のサービス提供者を繋ぐマッチングプラットフォームを運営
SaaS、DX、AI領域でのマッチング成立件数拡大で成長目指す

業種:情報・通信業
アナリスト:鎌田良彦

◆ 中小企業と課題解決のサービスを提供する企業をマッチング
PRONI(以下、同社)は、様々な経営課題を抱える中小企業と、それらの経営課題を解決するサービスを提供する企業を繋ぐマッチングプラットフォーム「PRONIアイミツ」の運営を行っている。

サービスを発注する中小企業(以下、発注企業)の利用料は無料とし、サービスの提供を行う企業(以下、受注企業)からマッチング手数料やシステム利用料等を得る仕組みである。

発注企業は、PRONIアイミツのWebフォームに従い経営課題に対応する必要なサービスを選択していき、最終的には発注企業の支援を行う同社のDXコンシェルジュのサポート等を受けて、詳細な発注仕様書を作成する。

この発注仕様書を基にPRONIアイミツのマッチングシステムで、過去のマッチングデータ等を参考に、生成AI等を活用し、同社に登録した受注企業の中から最適なマッチング企業を提示する。同社はマッチング企業を選定した段階でマッチング手数料を得、マッチング後の商談や契約までの手続きは、発注企業と受注企業間で行う。

同社に登録している受注企業は約1,200社あり、提供するサービスカテゴリーは、SaaSツール、IT・システム関連、営業・マーケティング、BPO(アウトソーシング)、オフィス・施設、人材・専門家等多岐にわたる(図表1)。近年はDXやSaaS、AI領域に注力しており、足元では会計や人事のクラウドサービス等のSaaSや、ホームページ制作やシステム開発等のIT・システム関連といったDX関連のサービスが8割以上を占める。

料金体系は、マッチングが成立した際の従量課金であるマッチング課金と、月額固定の月額課金、月額課金に付随する初期費用等のその他課金からなる。月額課金は想定紹介件数に基づく半年ごとの契約となっており、同社にとってはマッチング件数に関わらず、リカーリング収益となっている。

SaaS領域ではマッチング課金、それ以外の領域では月額課金が中心となっている。マッチング課金では、同社が複数の企業を候補として提示した場合、それぞれの企業からマッチング手数料を得る。月額課金の場合は、IT・システム関連を始め、受注企業の受注余力や納期の関係もあるので、同社が候補企業として挙げ、受注企業が承諾した場合にマッチング成立となる。手数料率はカテゴリー毎に、サービスの需給等を反映して異なっている。

同社は、マッチング事業の単一セグメントだが、収益認識基準による売上内訳を開示している。「一定の期間にわたり移転される財又はサービス」は月額課金とその他課金に対応し、「一時点で移転される財又はサービス」はマッチング課金に対応している。

23/12期以降、SaaS領域に注力した結果、「一定の期間にわたり移転される財又はサービス」の売上高がほぼ横ばいなのに対し、「一時点で移転される財又はサービス」の売上高が伸び、25/12期中間での売上構成比は62.6%となった(図表2)。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。