今週(7月14日~18日)は、米国でも主要銘柄の第2四半期決算発表が予定されており、とりわけアメリカの金融を支える米銀大手6行の決算に注目が集まっています。米銀大手の決算は、米経済を支える信用供与の観点や、CEOによる経済見通しといった景気動向の面からも注目されますが、今回はそれら6行の決算発表を前に、予想PER、アナリストの利益予想、そして目標株価を事前に確認します。
予想PERの直近値を見ると、バンク・オブ・アメリカ[BAC]とウェルズ・ファーゴ[WFC]を除く銘柄では、過去5年間の90パーセンタイル(※)を超えており、一部には割高感が意識される水準となっています。一方で、目標株価を下回っている銘柄が過半数を占めており、アナリストはなお上値余地があると見ています。
(※)パーセンタイル値はデータを小さい順に並べた際に、ある値が全体の何%の位置に相当するかを表す数値で、50%が中央値となり、ここでは大きくなるほど該当期間における割高さを示します。
外部環境を確認すると、先月25日にはFRBから銀行資本規制の緩和計画が発表されました。これは、金融仲介の促進や債券保有拡大余地の観点から銀行業界に追い風となるもので、規制緩和はプラスに作用すると考えられます。こうした外部環境の好材料も背景に、株価が年初来で堅調な推移を見せているなか、今週の決算発表結果が市場予想をどの程度上回るかが、さらなる上値を目指すうえでの鍵となるでしょう。
また、リストに記載した各社の売上高やEPSの予想値を上回る業績を示せるかも注目されます。