日経平均38,000円割れから下落が加速したまま推移中…週明け暴落の可能性は?~2024年4月19日版~

2024/04/19

 

4/19の前場は1200円下落するなど、日経平均株価の下落が加速しています。

先週までは39,000円台を維持していたものの、もみ合いから上昇することなく、緩やかな下落が続いているかと思ったとこからの急展開です。

これまでは、株価水準が高かったこともあり、実際には円単位ほどの変動はありませんでした。しかし、いよいよ38,000円を割ってくると、状況が変わってきます。

もちろん、日経平均株価が2万円台のときよりは円単位のインパクトは小さいですが、一時40,000円前後だったことを考慮すると、円単位での変動もリスクが出てきます。

まだ急展開というほどの水準ではありませんが、少しずつネガティブな雰囲気も株式市場に出てきました。はたして、これから週明けに掛けて日本株市場はどうなるのでしょうか。

そこで今回も、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。

 

今週の株式市場動向


こちらをご覧ください。こちらは2024/4/5~2024/4/18の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。

  • 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
  • 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
  • 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
  • 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
  • OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
  • RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数

※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください

これらの指数をふまえると今週の株式市場は、先週と同様に日経平均株価と株式市場全体が、”やや連動している週”でした。

そのようなこともあり、今週の株式市場は、日経平均株価だけで相場分析する人と、私たちのように株トレンド指数を使って相場分析する人では、あまり差異が生じなかったでしょう。

ただし、細かい部分ではこの両者には差異が生じたと考えられます。なぜなら、全体としては急展開とまではいかないものの、細かい部分で流れが変化するタイミングがあったからです。

そのタイミングを読み取るには、日経平均株価の推移だけでは難しく、今回に限っては株トレンド指数を参考にしないと、この変化を捉えるのは難しかったでしょう。

具体的には、週初めの4/15と4/18の変化です。4/15は、日経平均株価が下落したものの、市場全体としては、まだ上昇傾向が強い状況でした。

グラフを見ての通り、上昇傾向を示す天井指数がまだ維持され、下落リスクの安全水準を示す空売り指数「10」の水準も下回ることなく、まだ上昇基調が残っていました。

しかし、それが4/16に変化しました。急に上昇傾向を示す天井指数が失速し、反対に下落傾向を示す底値指数が上昇してきました。加えて、空売り指数も半減し「10」を下回る水樹に下がりました。

もちろん、この時点では株式市場全体が急転というほどの状況ではありません。しかし、この日を境に日本株市場の方向感が変わった可能性が出てきました。

そして、もう一つのポイントである4/18です。前日の4/17は、その名の通り押し目買いの動きを示す押し目買い指数の水準が上がってきました。

通常は、この流れのまま4/18に押し目買い指数が上昇するか、同じような水準を維持し、株式市場全体が押し目買いの動きをする傾向があります。

しかし、今週に限っては4/18の押し目買い指数は失速し、そのまま下落傾向を示す底値指数の水準が維持されました。

つまり、まず4/16に上昇傾向がとまり、4/18に押し目買いの動きをするパワーがなくなったと読み取れるでしょう。

そして、4/19には前場時点で日経平均株価が1,200円下落するなど、状況が変化してきているように見受けられます。

もちろん、まだ4/19の株式市場が終わったわけではないので、後場に日経平均株価が一気に盛り返す可能性もあります。

また、株式市場の内訳である株トレンド指数のデータを見ると、日経平均株価の下落の動きほど、株式市場全体は下落に向いていない可能性もあります。

ですが、1つだけ今の時点でも言えることは、これまでボックス圏の上値に向かう、もしくは中心付近を推移していましたが、ここからは「ボックス圏の下値」に向かって動き出していると考えられます。

今週だけ見ると、短期的な下落トレンドにも見えますが、まだボックス圏の下側をウロウロしていると思われます。

では、状況を更に詳しく見るために、直近2ヶ月間の状況もふまえて現状を見てみましょう。

日経平均株価を基準に見ると、4/19前場時点の約37,000円を考慮しても、まだボックス圏を推移していることが分かります。

日経平均株価の円単位の水準が上がってきていますので、これまでとは違って大きな範囲でのボックス圏にはなりますが、ちょうどこの2ヶ月がボックス圏の上値と下値の範囲での動きと考えられます。

一時41,000円を射程圏にする水準まで上昇したものの、本格的な上昇トレンドではなく、自然な流れの中での上昇してした。

あくまでも結果を見ての判断にはなりますが、あの動きはボックス圏の上値に向かう動きであったと考えられます。そして、今は下値に向かって動き出しているのでしょう。

対して、株トレンド指数を基準に見ると、3月下旬から4月上旬の無風状態を脱し、先週は小さな上昇傾向が見られましたが、今週は小さな下落傾向に変化していることが分かります。

ただし、まで暴落や大幅下落が起きるような水準の下落傾向ではありません。円単位で見ると大きく感じますが、あくまでもボックス圏の下値に向かう程度の下落傾向であると読み取れます。

もちろん、4/19のデータ次第でボックス圏を下抜けするような下落に変化する可能性もあります。ですが、あくまでも現時点では、まだボックス圏内にとどまる下落傾向だと考えられます。

よって、この2つを総合すると、日経平均株価の水準が下がることで円単位での下落のインパクトが、そのまま下落の感覚に近いようにも感じますが、まだボックス圏を踏みとどまっているでしょう。

なお、ボックス圏の下値の目安ですが、日経平均株価で見ると36,000円付近を考えられるでしょう。もし、これよりも下落し、35,000円付近まで下抜けすると、そのときはボックス圏を下抜けすることを想定したほうが良いかもしれません。

また、ボックス圏の中心も先週の段階では39,000円付近と考えていましたが、今週の下落でボックス圏の範囲が広いことが分かりましたので、38,000円付近と考えておくと良いでしょう。

なかなか難しい展開が続いていますが、ある意味今週の下落でボックス圏の範囲が先週の段階よりも広いことが分かりました。

つまり、ボックス圏の範囲が広い分だけ、実際は方向感がないのに、それがトレンドだと見誤る可能性も高いと考えられます。

このようなときにトレンドを見誤ると、逆方向に株価が動きやすいので、慎重にトレンドが発生しているかを見ていくと良いでしょう。

補足として株式市場全体の需給バランスも見ておきましょう。タイムラグはありますが最新の 「投資主体別売買動向」を見ると、需給バランスは、以下の通りでした。

  • 外国人投資家:大きく買い→買い
  • 個人投資家:大きく買い→やや売り
  • 日本の機関投資家:大きな売り→わずかに買い

最新のデータでは、このような需給バランスでした。これを見る限り、需給バランスは「買いが優勢」の状態であることが分かります。

しかし、今週は下落傾向であることをふまえると、この3大プレイヤーの動きに変化があったと想定されます。

これまで買いに入っていた外国人投資家が一巡したか、もしくは再び個人投資家売りに出たか、または日本の機関投資家が大きく売りにでたかなど、違ったバランスになっていると考えられます。

いずれにしても、全体で見ると「売り優勢」に変化していると考えられますので、引続きこの需給バランスの変化も抑えていきましょう。

ボックス圏を推移しているだけに、なかなか掴みどころがなく判断がしにくいことばかりですが、これがボックス圏の特長です。

加えて、今回のボックス圏の上値と下値の範囲は、これまでの日経平均株価の水準では体験したことがない幅です。

経験したことがないだけに、経験や感覚で判断していまうと「買った瞬間株価が下がる」など、そういった想定外のことが起こりやすいので、十分に注意していきましょう。

 

※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。

※2.本記事は2024/4/18(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました(日経平均株価のみ4/19前場時点のデータを含みます)。

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この記事を書いている人

高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ) ー高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)ー

トレード歴12年以上の現役トレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。

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