来週…暴落が起きる可能性は?~2021年10月第1週版~
日経平均株価30,000円超えの明るい兆しから一転…28,000円台まで下落する不安定さを見て「これから株価がどうなるか?」が気になる方はいますか?
9月は、前半に発生した上昇トレンドは短期的なものにとどまり、新政権発足とほぼ同時に日経平均株価が急落しています。
しかし、そこから一気に下がりそうで、下がりきらない、なかなか方向感が定まらない展開が前週から続いています。
そこで今回は、私が日本株市場のトレンドを捉えることを目的に、独自に開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきます。
どうして…今週は思った方向に株価がいかない?
まず、こちらをご覧ください。こちらは9/24~10/7の日経平均株価と、株トレンド指数の状況です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。
- 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
- 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
- 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
- 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
この4つの指数をふまえると、前週前半は日経平均株価は下降ぎみであったものの、市場全体のトレンドは上昇の圧力が強い状況でした。
しかし、前週後半からトレンドが変わり、上昇中の一時的な下落と考えられる押し目買い指数が増えました。再上昇するか、それとも下落方向に向かうかの分岐点になったのが前週後半です。
それが今週に入り、下落傾向を示す暴落指数が目立ち始め、日経平均株価の下落と同時に市場全体も下落していきました。
ただし、ここで注意したいのは、日経平均株価と実際のトレンドが、やや乖離した状態であることです。
日経平均株価の下落幅の体感では大きく下落したように感じますが、株式市場全体の実際のトレンドは、それほど下落していません。
それをふまえると、日経平均株価は急落しましたが、市場全体はまだ下がりきらず、上方向と下方向の方向感が乏しく、判断が難しい相場だったと考えられるでしょう。
では、週明けの株式市場は、どのような展開が予測されるのでしょうか。
週明けの株式市場の動向は?
週明けの株式市場の展開を予測するにあたり、まず「OVER指数」を見てみましょう。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
「OVER指数」とは、上昇トレンドの展開を大まかに読み取れる指標です。
8月からのOVER指数の推移を見る限り、9月前半に起きた上昇トレンドは短期的なもので終了したと考えられます。
今週は前週に引き続き、OVER指数が小さいので、ここから再上昇する展開は考えにくいでしょう。
もし、再上昇する場合は、このOVER指数が数日間連続でマイナス圏に突入したときだと考えられます。
直近の上昇が起きたときを見ても前日にOVER指数が前日にマイナス圏に入っています。多くの上昇時には、このような傾向が見られます。
上昇の機会をできるだけ早く察知したい場合は、今後のOVER指数の状況に着目すると良いでしょう。
よって、OVER指数の現状をふまえると、来週に再上昇するのは難しいと考えられます。もし、上昇する場合は、週明けのOVER指数がマイナス圏に入るかに注目しましょう。
では、下落する可能性はどれくらいあるのでしょうか?次は、こちらの「RISK指数」をご覧ください。
週明け暴落の可能性は?
「RISK指数」とは、暴落や大幅下落の展開を大まかに読み取れる指標です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
このRISK指数は、平常時はマイナス圏を推移しています。ただし、暴落や大幅下落があるときは、その直前に、ひょっこり顔を出すようにプラス圏に現れます。
直近は、マイナス圏を推移していましたが9/30に「0(ゼロ)」まで上昇しました。そして、今週はじめに「1」まで上昇し、「10以上」が3日続いています。
これまでの傾向を見ると、現状のRISK指数は、このまま下落リスクがなくなるか、それとも暴落があるかの分岐点だと考えられます。
現在のRISK指数の山の形は、リーマン・ショックやコロナ・ショックの初期段階に似ています。この2つの暴落時は、その前兆として、現状のような山型ができていました。
2つの暴落の例ではりますが、本格的に暴落が起きる場合は、10/8のRISK指数が前日までの2倍近く、もしくはそれ以上に急上昇します。
もし、週明けにそのような状態になった場合は、本格的な暴落に備えておくのが良いでしょう。
また、過去の暴落で類似しているものとして、チャイナ・ショックがあります。チャイナ・ショック時は、RISK指数が10以上が4日連続で発生し、5日目にRISK指数が2倍近く、もしくはそれ以上に急上昇する動きを見せました。
これらをふまえると、週明けのRISK指数の動き次第で、コロナ・ショック以来の暴落がある可能性があると読み取れます。
ただし、あくまでもこれは過去の傾向であり、その分岐点にいますので、このRISK指数の動向を見ながら、暴落が起きても、暴落が起きなくても、そのときの状況に合わせて動けるようにしておくと良いでしょう。
どうする…週明けの投資戦略?
10/1までの投資主体別売買動向によると、日本の株式市場の三大投資家である「外国人投資家」と「機関投資家」の売りが先行し、個人投資家は買いが先行しています。
ただし、これはあくまでも前週の状況ですので、もし今週から個人投資家も売りが先行していると、下落しやすい下地が市場全体にあると考えられます。
また、RISK指数もここから暴落するか、ここでいったん下落リスクが終焉するかの分岐点にいますので、楽観的に挑むとリスクが高まるでしょう。
しかしながら、現在このようなリスクがあるものの「分岐点」と表現するように、方向感が乏しく、展開が読みにくい状況にあります。
よって、週明けの株式市場は、前週に続き、どちらか一方向に株価が動くと予測するのではなく、暴落がリスクがあることを念頭に置きながら、あらゆる方向に動くことを想定し、投資判断するのが良いのではないでしょうか。
今週のポイント~3つ~
【ポイント.1】
10/1までの投資主体別売買動向によると、日本の株式市場の三大投資家である「外国人投資家」「機関投資家」が売り、「個人投資家」が買いで、やや売りが先行し、市場全体がやや下がりやすい状態のまま今週に入った
【ポイント.2】
日経平均株価と実際のトレンドが、やや乖離した状態。日経平均株価の下落幅ほど、市場全体は下落していない状況なので、方向感が乏しい状況が続く
【ポイント.3】
RISK指数が先週末からプラス圏に入り、今週は3日連続で10を超える。明確な方向感はないものの突発的な暴落に警戒が必要。
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※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2021/10/7時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
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この記事を書いている人
高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)
トレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。12年間でたった一度負けがあっただけで、11年間安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック。
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