今週の注目レポート (4月30日)

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。

●日本電産(6594)【 2+→2+】
「CEOの交代を発表。株価の見方は従来通り」
21/3期は前期比5%増収、営業利益は47%増の1,600億円となり、計画値を達成。独自の収益構造改革策WPR4の成果も表れ、2Q(7-9月)以降は10%を超える営業利益率を確保。今年は世界的にコロナ禍で落ち込んだ昨年からの経済回復が期待される一方、足元では一部地域でコロナ感染拡大への懸念や電子部品の不足等もあり、22/3期会社計画は保守的に組まれている印象だ。TIWでは会社計画を若干上回る通期1,900億円の営業利益を予想する。同社はCEO(最高経営責任者)交代を発表。現会長兼CEOの永守氏に代わり、現社長の関氏が6月よりCEOを兼務する。
予想ROE:12.4% PBR:7.2倍、来期予想PER:45.2倍、来期予想EPS成長率:21%
株価(4/30終値):12,655円 Fモデルによる理論株価:4,234円(4月26日by服部隆生)

●小糸製作所(7276)【1→1】
「21/3期着地は1月末の修正予想を更に上回る、22/3期計画は保守的とみる」
27日発表の21/3期決算は売上高が7,063億円(前期比11.8%減)、営業利益が567億円(同31.2%減)となった。1Q(4-6月)がコロナ感染拡大当初の生産・販売減の影響で赤字となった影響が最後まで残り大幅減収大幅営業減益となった。ただし、4Q(1-3月)単独では主要取引先トヨタ自動車(7203、以下トヨタ)を中心とした生産の回復から前年同期比5.3%増収、営業利益は同10.1%増の226億円となった。また、通期着地は自動車生産の回復が想定以上となり3Q累計(4-12月)決算時に上方修正した計画を売上高は94億円、営業利益は27億円上回って着地した。
予想ROE:11.7% PBR:2.1倍、来期予想PER:14.3倍、来期予想EPS成長率:9%
株価(4/30終値):6,810円 Fモデルによる理論株価:7,733円(4月28日by高田悟)

●ステップ(9795)【 1→1】
「神奈川トップ校全塾No1死守」
21/9期2Q(累計)は増収大幅増益で着地。生徒数増加と講習の売上按分により増収となり、それに併せて翠嵐・横浜プロジェクトに掛かる費用が削減され増益となった。2Q目玉の合格実績はトップ校の横浜翠嵐高校合格者数136名(昨年137名)と3年連続全塾中のトップとなった。また、神奈川県公立トップ校も2,192名合格とこちらも全塾中トップとなった。大学受験は国公立大学207名(同196名)、早慶上智438名(同256名)、理科大MARCH1462名(同1148名)と合格者数大幅増加となった。
予想ROE:9.9% PBR:1.3倍、来期予想PER:10.9倍、来期予想EPS成長率:16%
株価(4/30終値):1,620円 Fモデルによる理論株価:2,742円(4月30日by山方秀之)

 

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期 予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出 しております。
(詳しくは、以下のサイトをご覧下さい)〔http://column.ifis.co.jp/category/market/tiw
こうして算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、 さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、 レポート発行時に算出した値です。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。