2月3日妥当レンジ 18,350円~19,800円
日米首脳会談を控えて様子見も、経済指標は好調

2017/02/07

【「IFIS/TIWコンセンサス225」によるマーケットの妥当レンジの推計】

 

<トランプ大統領の攪乱マーケットは続くが・・・>

■引き続きトランプ大統領周辺を端に発する混迷が米国内及び金融市場で続いている。10日の日米首脳会談を控えて市場は模様眺めの展開が予想されるものの、1)日経平均株価は19,000円を割り込み割安感が見られること、2)企業決算は好調に推移していること、3)日米ともに経済指標は概ね強含みに推移していること、から株価のダウンサイド・リスクは低く、タイミング待ちと考える。
■国内経済指標においては(いずれも12月分・1/31発表)、有効求人倍率は前月比0.16ポイント上昇して1.43倍と91年7月以来の水準となった。家計調査では勤労者世帯の消費支出が+2.2%と8ヵ月ぶりに上昇。鉱工業生産指数速報値は前月比+0.5%と2ヵ月連続上昇、日銀の展望レポートにおいて17年度の成長率は前回(10月末時点)の+1.3%から+1.5%へと上方修正された。
■米国経済指標(いずれも1月分)は、ISM製造業指数(1日発表)は5ヵ月連続上昇、ISM非製造業指数(3日発表)は3ヵ月ぶりに低下したが、2015年10月以来の高水準を維持。雇用統計(3日)は非農業部門雇用者数が前月比22.7万人増と市場予想(約17万人)を大きく上回る。ただし、失業率の上昇や平均時給の前年比伸び率が12月の+2.8%から+2.5%に低下したことから、まだ労働市場のスラック(需給の緩み)が存在している可能性が示唆され、3月利上げの見通しは後退した。

 

<コンセンサス予想は、全期間において前週比プラス>
■2月3日時点のIFIS/TIWコンセンサス225(日経225のコンセンサスEPS)は、全期間において前週比プラスであった。「225コンセンサスDI」(前週比プラスとなった銘柄数の比率)はやや低下したものの来期・再来期ベースともに60%台(高水準)を維持した。
■妥当レンジは前週比大きく下降したが、株主資本の増加による予想ROEの低下が影響している。それでも12ヵ月フォワードベースから見れば割安感は依然として極めて強い(12ヵ月フォワードベースの予想EPSからの妥当レンジは、19,230~20,790円と算出)

 

◇日経平均妥当水準(レンジ)

18,350円~19,800円 (前回18,950円~20,450円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(2月3日)来期予想ベースEPSをもとに算出

◇IFIS/TIWコンセンサス225(2月3日)

今期予想EPS 1020.24 (前週 1010.50円)
来期予想EPS 1121.41 (前週 1110.07円)
再来期予想EPS 1234.86 (前週 1220.75円)
今期予想PER 18.54 (前週 19.27倍)
来期予想PER 16.87 (前週 17.54倍)
再来期予想PER 15.32 (前週 15.95倍)
来期予想PBR 1.23 (前週 1.30倍)
来期予想ROE 7.29% 前週 7.39%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
6.79% (前週 6.81%)

*2月3 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

 

図1
コンセンサス予想EPSは増加したにもかかわらず、株主資本の増加から予想ROEが低下したために、妥当レンジは下降。

 


図2
来期予想ベースのプラス企業比率は、 73.8%→57.5%→64.4%→64.8%→62.8%。
再来期予想ベースのプラス企業比率は、73.5%→65.7%→72.2%→70.5%→61.5%。

前週より低下したものの60%台を維持。

 

 

[注:4~5月は例年、対象決算期変更の影響があるのでイレギュラーな値になることに留意]

 

 

 

 出所:IFISコンセンサスを基にTIW作成
いずれも2012年1月から表示

「IFIS/TIWコンセンサス225」について
IFIS/TIWコンセンサス225」は、株式会社アイフィスジャパンが集計しているアナリストコンセンサス・データ等を原データとして、2009年4月より株式会社ティー・アイ・ダヴリュが東証株価指数(日経225)に対応するように構成銘柄のEPSを算出・集計したものである。今期予想EPS、来期予想EPSの変化を追うことによって、マーケット全体の業績見通しを確認する。
理論上では株価は、自己資本配当率(ROEと配当性向の積)、EPS成長率、無リスク証券の利回り(国債利回り)、リスクプレミアムの4要素で決定される。株価をこれら構成要素に分解することによって、株価変動の要因について考察するとともにファンダメンタルからの妥当な株価(マーケット)水準を思量する。なお、リスクプレミアムを正確に計測することは、一定期間を経た後でないと困難なことであることから、当レポートではインプライド・リスクプレミアム(株価と他の構成要素からの逆算値)を使用している。
4つの構成要素の内、株価の短期的な変動に最も影響を与えるのがリスクプレミアムである。リスクプレミアムは、無リスク証券の金利に対して投資家が要求する上乗せ金利と定義されるが、投資家心理(マーケットセンチメント)、他の投資対象(金融商品)との利回り格差の変動などによって変化する。長期的な見通しの変化が無い中では、インプライド・リスクプレミアムは一定のレンジ内で推移する傾向にある。日経平均株価の妥当水準を算出には、インプライド・リスクプレミアムの一定レンジからの逆算によって行っている。
〔今期予想ベースEPS、来期ベースEPSにおける“今期”、“来期”の取扱い〕
会計上の業績計測期間ではなく、本決算発表を基準とする。例えば、2011年4月30日現在では、2011年3月期は決算発表前であれば今期、決算発表が行われていれば前期、となる。
〔予想EPS増減社数〕
今期ベースならびに来期ベースを示している。週間(週末値)のデータを基に、前週末に比べてEPSが増加・変化無し・減少した企業の数。
〔予想PBR(今期末)〕
前期末BPS(1株純資産)に今期予想EPSを加えて、予想DPS(1株配当)を控除した値(=予想BPS)で株価を除した数値。中間配当は考慮していない。
〔予想ROE(来期ベース)〕
前述の予想BPSで来期予想EPSを除した値。
〔リスクプレミアム〕
特に断りの無い限りインプライド・リスクプレミアムを表す。計算式は、{ 1-予想配当性向×(1-予想B/Pレシオ)}×予想ROE-無リスク証券利回り

 

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
TIWマガジン「投資の眼」   株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。

コラム&レポート Pick Up

このページのトップへ