2月28日妥当レンジ 14,300円~16,600円
来週までは、上にも下にもブレ易い時間帯

2014/03/05

【「IFIS/TIWコンセンサス225」によるマーケットの妥当レンジの推計】

<ウクライナ情勢緊迫化>
■クリミア半島へのロシアの侵攻によるウクライナ情勢の混迷、それに伴う原油や食料など商品価格の上昇、当事者であるロシアをはじめリスク回避による新興国等からの資金の引上げなど世界情勢は混沌としている。
■今週は、5日から中国の全人代が開始されることや、6日から予定されているECB理事会で何らかの金融緩和策が打ち出される可能性が高いこと、2月の雇用統計(7日)をはじめ米国の主要経済統計の発表が相次ぐことなど、市場は材料に敏感な状態が続くことが予想される。
■ウクライナ問題の解決には暫く時間を要すると考えられるだけに円の高止まりが予想されますが、目先のパニック的な市場の下げは一巡したと考えられるだけに、押し目を丹念に拾ってゆく局面と考えます。 4月からの消費税率引上げを視野に内需関連銘柄への売りが続いていることにも注意が必要でしょう。

 

<14,000円台前半は底堅い>
■2月28日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」は、前週比で大きな変化は見られなかったものの、今期予想ベースではややマイナスとなった。妥当レンジは微調整に留める。
■全体的には前週比プラス企業数がマイナス企業数をやや上回る状態が続いているものの、変化率には乏しい状態。企業業績よりも国際情勢、米経済指標、個別材料で動く展開が暫く続きそうである。
■妥当レンジ下限付近の14,000円前半では底堅い展開が続いており、業績面」もしっかりしているキヤノン(7751)、ファナック(6954)、トヨタ自動車(7203)、ホンダ(7267)、NTN(6472)、資生堂(4911)など国際優良銘柄の押し目を拾っておきたい。

 

 

◇日経平均妥当水準(レンジ)

14,300円~16,600円 (前回 14,350円~16,600円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(2月28日)来期予想ベースEPSをもとに算出

◇IFIS/TIWコンセンサス225(2月28日)

今期予想EPS 765.30 (前週 768.26円)
来期予想EPS 892.14 (前週 891.79円)
再来期予想EPS 990.38 (前週 990.34円)
今期予想PER 19.39 (前週 19.35倍)
来期予想PER 16.64 (前週 16.67倍)
再来期予想PER 14.99 (前週 15.01倍)
来期予想PBR 1.31 (前週 1.32倍)
来期予想ROE 7.90% 前週 7.93%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
6.75% (前週 6.76%)

*2月28日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

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株価は依然として妥当レンジの下限付近にあり、底堅い展開が期待される。

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期待リターンは7.33%と中庸(特に高くも安くもない)な水準。

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円の高止まりが見込まれる中では株価の大きな反発は期待しにくい?

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JASDAQ平均に目立った割安感は無い。

出所:IFISコンセンサスを基にTIW作成
いずれも2012年1月から表示

「IFIS/TIWコンセンサス225」について
IFIS/TIWコンセンサス225」は、株式会社アイフィスジャパンが集計しているアナリストコンセンサス・データ等を原データとして、2009年4月より株式会社ティー・アイ・ダヴリュが東証株価指数(日経225)に対応するように構成銘柄のEPSを算出・集計したものである。今期予想EPS、来期予想EPSの変化を追うことによって、マーケット全体の業績見通しを確認する。
理論上では株価は、自己資本配当率(ROEと配当性向の積)、EPS成長率、無リスク証券の利回り(国債利回り)、リスクプレミアムの4要素で決定される。株価をこれら構成要素に分解することによって、株価変動の要因について考察するとともにファンダメンタルからの妥当な株価(マーケット)水準を思量する。なお、リスクプレミアムを正確に計測することは、一定期間を経た後でないと困難なことであることから、当レポートではインプライド・リスクプレミアム(株価と他の構成要素からの逆算値)を使用している。
4つの構成要素の内、株価の短期的な変動に最も影響を与えるのがリスクプレミアムである。リスクプレミアムは、無リスク証券の金利に対して投資家が要求する上乗せ金利と定義されるが、投資家心理(マーケットセンチメント)、他の投資対象(金融商品)との利回り格差の変動などによって変化する。長期的な見通しの変化が無い中では、インプライド・リスクプレミアムは一定のレンジ内で推移する傾向にある。日経平均株価の妥当水準を算出には、インプライド・リスクプレミアムの一定レンジからの逆算によって行っている。
〔今期予想ベースEPS、来期ベースEPSにおける“今期”、“来期”の取扱い〕
会計上の業績計測期間ではなく、本決算発表を基準とする。例えば、2011年4月30日現在では、2011年3月期は決算発表前であれば今期、決算発表が行われていれば前期、となる。
〔予想EPS増減社数〕
今期ベースならびに来期ベースを示している。週間(週末値)のデータを基に、前週末に比べてEPSが増加・変化無し・減少した企業の数。
〔予想PBR(今期末)〕
前期末BPS(1株純資産)に今期予想EPSを加えて、予想DPS(1株配当)を控除した値(=予想BPS)で株価を除した数値。中間配当は考慮していない。
〔予想ROE(来期ベース)〕
前述の予想BPSで来期予想EPSを除した値。
〔リスクプレミアム〕
特に断りの無い限りインプライド・リスクプレミアムを表す。計算式は、{ 1-予想配当性向×(1-予想B/Pレシオ)}×予想ROE-無リスク証券利回り
株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。