今週の注目レポート (12月13日)

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。


●日精エー・エス・ビー機械(6284)【 2+→2+】

「中期的にはPF36の世界市場での拡大余地が大きいとみる」
24/9期は売上・利益が堅調に推移。受注も日本・米州向けに成形機が好調に伸び、受注と売上は過去最高を更新。販管費が増えたものの、中小型の採算性の良い製品が伸びたことや金型・部品の増収効果で吸収し、営業利益率は21.5%まで向上。飲料生産向け大量生産機PF36の受注増もあり、今25/9期の収益増に繋がる良好な進捗とみる。高水準の受注残を着実に売上計上に繋げ、25/9期は売上・営業利益で過去最高の更新を目指す。
予想ROE:11.6% PBR:1.5倍、来期予想PER:10.2倍、来期予想EPS成長率:18%
株価(12/13終値):5,100円 Fモデルによる理論株価:7841円(12月9日by服部隆生)

●シマノ(7309)【 2+→2+】
「24/12期は上期までは減収営業減益も、3Q単独で増収営業増益に転じる」
コロナ禍で先食いした需要の反動による需給調整が自転車部品と釣具で続き24/12期3Q累計(1─9月)は大幅減収2桁営業減益の厳しい決算となった。しかし、3Q(7-9月)単独では前年同期比5.3%増収、同8.4%営業増益と増収営業増益に転じた。また、主力の自転車部品の売上高が四半期毎に上向いていることからも、自転車部品事業中心に市場在庫の適正化と同社の在庫調整が徐々に進展していることが窺われる。TIWでは在庫調整の進展と稼働回復により24/12期を底に25/12期は業績回復を見込むこと、長期的なトレンドとして自転車への高い関心は続いており、特に中国市場でサイクリング全般の人気が継続していることがポジティブで、中期的には堅調な業績展開が見込めるとのTIWの従来からの見方にも変化がないため、投資評価は前回レポート時からの「2+」を維持する。
予想ROE:7.1% PBR:2.3倍、来期予想PER:24.5倍、来期予想EPS成長率:34%
株価(12/13終値):21,110円 Fモデルによる理論株価:17533円(12月9日by高田悟)

●ユー・エス・エス(4732)【 2+→2+】
「成約台数増加等により上期営業利益は上振れ、通期営業利益計画を上方修正」
投資評価「2+」を維持。理由は、25/3期上期は売上高、営業利益が過去最高となる好決算、上期決算では中核のオートオークション事業での市場シェア上昇、成約車両単価での業界平均との差の拡大などが注目される、通期営業利益計画を上方修正し、年間配当金の増配を表明したことがポジティブだが、営業過去最高益更新を見込む通期計画には更に上振れ余地があるとTIWはみる、市場シェアの更なる拡大が見込める中核オートオークション事業の収益力が高く、同事業での稼ぐ力を背景とした関連事業の強化・拡大により中期的にも堅調な業績展開が見込めるとのTIWの見方に変化はない、強固なキャッシュポジションから高い株主還元の継続が期待できる、以上を踏まえると25/3期TIW予想PER19.3倍などの株価指標面にも特段割高感はないとTIWは考える。
予想ROE:17.6% PBR:3.5倍、来期予想PER:18.6倍、来期予想EPS成長率:3%
株価(12/13終値):1,364.5円 Fモデルによる理論株価:1191円(12月11日by高田悟)

 

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出しております。
算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、レポート発行時に算出した値です。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。