今週の注目レポート (11月15日)

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。


●スズキ(7269)【 1→1】

「上期は大幅営業増益、営業利益率は11.7%へ上昇、モデルミックス改善等が寄与」
TIWでは目標株価は2,700円を維持し投資評価は「1」を継続する。理由は、25/3期上期(4-9月)は大幅増収大幅営業増益の好決算、営業利益率が11.7%(前年同期9.3%)へ上昇したことや、為替影響(+477億円)を除いても国内四輪事業での価格改定やモデルミックスの改善などにより営業段階で増益を確保したことで上期決算は同社の収益力の向上を示す結果となった、上期は主要インドでの四輪販売が前年割れとなったが、在庫が適正水準となり、ディワリ期の販売が堅調に推移し通期では前年から販売台数増を同社が見込んでいることから上期の同国での販売減速への懸念は不要とTIWはみる、通期利益計画の上方修正と年間配当金予想の増配がポジティブであり修正計画には上振れ余地があるとTIWはみる、更には、インド四輪車市場の成長取り込みによる中期的な成長見通しは不変であり、株価指標面も割安などによる。
予想ROE:11.3% PBR:1.1倍、来期予想PER:7.9倍、来期予想EPS成長率:4%
株価(11/15 終値):1,597円 Fモデルによる理論株価:2329円(11月11日by高田悟)

●豊田通商(8015)【 2+→2+】
「25/3期上期は自動車生産が伸びぬ中で各利益段階で最高益を確保」
25/3期上期(4-9月)はトヨタ自動車のグローバル生産台数が前年割れとなり、この影響を自動車生産・販売(玉不足等)関連で受けた。また、リチウム市況が悪化し、欧州では電力価格が下落した。厳しい事業環境下にあったが、各利益段階で過去最高益を確保したことでトヨタ生産と同社業績との連動が徐々に薄れ同社の事業体質の筋肉質化が進んでいることを印象付ける決算となった(自動車販売でのモデルミックスの変化、デバイス部品の増量、加工業への進出などに加え、アフリカ本部自動車販売でのアフターサービスで稼ぐ仕組み作りなどが実を結ぶ)。TIWでは25/3期は純利益で過去最高益を見込む同社計画には上振れ余地があるとみることに加え、25/3期TIW予想PER8.1倍などの株価指標面にも割安感が強いため投資評価は「2+」を維持する。
予想ROE:13.0% PBR:1.2倍、来期予想PER:7.6倍、来期予想EPS成長率:6%
株価(11/15 終値):2,735円 Fモデルによる理論株価:4170円(11月12日by高田悟)

●ドリーム・アーツ(4811)【 1→1】
「通期30%超営業増益に向け好進捗、来期も大幅2ケタ増益へ」
投資判断「1(Buy)」を継続する。目標株価を3,790円。24/12期3Q累計(1~9月)の連結業績は、売上高3,683百万円(前年同期比12%増)、営業利益は564百万円(同13%増)。「SmartDB」を中核とするクラウド事業が伸長した。増収効果や売上原価の抑制が押し上げに寄与。広告宣伝費や人件費、インフラコストの増加をこなした。TIWでは24/12期連結業績を、売上高5,065百万円(前期比14%増)、営業利益769百万円(同33%増)と予想する。SmartDBを中核とするクラウド事業の拡大が収益増に直結、インフラコストや人件費等の増加を吸収するとみられる。
予想ROE:25.9% PBR:5.6倍、来期予想PER:17.4倍、来期予想EPS成長率:28%
株価(11/15 終値):2,816円 Fモデルによる理論株価:3179円(11月15日by岩元泰晶)

 

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出しております。
算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、レポート発行時に算出した値です。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。