今週の注目レポート (2月9日)
【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。
●太平洋工業(7250)【 2+→2+】
「3Q累計は大幅営業増益、通期営業利益計画を再度上方修正」
TIWでは投資評価は「2+」を維持する。その理由は、24/3期3Q累計(4-12月)決算で営業利益が大幅増益、過去最高となった、通期営業利益計画を中間時点に続き上方修正した、24/3期は後半中心に新プレス工場立ち上げ費用が嵩むがそれでも営業過去最高益更新と営業利益率の上昇を同社が見込んでいること、超ハイテン技術を活かした提案活動によるSUV系車種での台当たり単価アップが好業績に寄与していることなどがポジティブである。こうした中、TIWの24/3期予想ROE8.03%に対し実績PBR0.56倍の株価は余りに評価不足と考えることによる。
予想ROE:8.0% PBR:0.6倍、来期予想PER:7.4倍、来期予想EPS成長率:3%
株価(2/9終値):1,432円 Fモデルによる理論株価:2780円(2月5日by高田悟)
●トヨタ自動車(7203)【 2+→2+】
「3Q累計は大幅増益、収益構造の改善が進み通期計画を上方修正」
TIWでは投資評価「2+」を維持する。その理由は、6日発表の24/3期3Q累計決算は為替・スワップ等の影響除きでも営業段階で大幅増益(前年同期から1兆6,250億円の増益)を確保し収益構造の改善を示す好決算となった、営業面の努力や原価改善の努力見通し改善を主な要因とする通期営業利益計画の上方修正がポジティブである、24/3期は大幅営業増益、営業過去最高益での着地が見込める、TIWでは25/3期は増益幅が小幅にとどまるとみるが、それでも収益構造改善継続による堅調な業績展開を想定し高水準の利益確保を見込むこと、24/3期TIW予想PER11.4倍など株価指標面に依然割安感があること、などによる。
予想ROE:14.5% PBR:1.6倍、来期予想PER:11.1倍、来期予想EPS成長率:2%
株価(2/9終値):3,323円 Fモデルによる理論株価:3596円(2月7日by高田悟)
●フレクト(4414)【 2+→2+】
「3Q累計営業利益は3.8倍、成長軌道は上方シフトへ」
24/3期3Q累計(4~12月)業績は、売上高4,925百万円(前年同期比30%増)、営業利益542百万円(同3.8倍)。売上高、利益ともに過去最高となった。旺盛なDX需要を背景に、主力のクラウドインテグレーションサービスが伸長した。TIWでは24/3期業績を、売上高6,886百万円(前期比30%増)、営業利益676百万円(同162%増)と予想。25/3期は、売上高9,114百万円(同32%増)、営業利益1,173百万円(同74%増)を見込む。採用拡大に伴い人件費がかさむものの、増収をテコに大幅増益を達成しよう。クロスセルによる受注拡大に加え、顧客基盤の拡大も一段と進む見通し。
予想ROE:25.9% PBR:8.2倍、来期予想PER:19.3倍、来期予想EPS成長率:78%
株価(2/9終値):5900円 Fモデルによる理論株価:4315円(2月8日by岩元泰晶)
●スズキ(7269)【 2+→2+】
「3Q累計は売上構成改善が増益に大きく寄与したことが評価できる好決算」
TIWでは投資評価「2+」を維持する。その理由は、7日発表の24/3期3Q累計(4-12月)決算は営業過去最高益、小さなクルマで稼ぐビジネスモデルで営業利益率9%確保の好決算となった、3Q累計決算では外部要因(為替影響及び原材料変動影響)を除く実質で確り増益を確保したことと売上構成変化等による増益影響が大きく増益に寄与したことが評価できる、TIWは同社計画を上回る営業増益、営業過去最高益での着地を24/3期を見込むこと、生産能力増強、SUV販売強化、電動化関連等を中心とした成長戦略投資の加速により世界第3位となったインド四輪車市場の成長を捉え、これを軸に同社の成長が中期的に見込めるとのTIWの従来からの見方に変化がないこと、24/3期TIW予想PER14.4倍などの株価指標面に割高感がない、などによる。
予想ROE:9.5% PBR:1.6倍、来期予想PER:12.6倍、来期予想EPS成長率:14%
株価(2/9終値):6,631円 Fモデルによる理論株価:6845円(2月8日by高田悟)
●ジャパンエレベーターサービスホールディングス(6544)【 1→1】
「3Q累計は大幅増収大幅営業増益、保守契約台数が順調に増加」
TIWでは目標株価は3,000円を維持し投資評価は 「1」(Buy)を継続する。その理由は、24/3期3Q累計(4-12月)は大幅増収大幅営業増益、3Q(10-12月)単独の営業利益率が四半期として最高を記録するなどの好決算となった、TIWでは24/3期に続き、25/3期も営業過去最高益更新を見込むこと、更にTIWでは、同社の競争力(メーカー系と同品質のサービスを安価に提供)と良好な外部環境(インフレと節約志向の高まり)を背景に、ストック型である保守・保全業務での保守契約台数の増加継続とリュニューアル業務の伸長が見込めることなどから、中期経営計画目標(27/3期に売上高600億円以上、のれん償却を除く営業利益率20%)達成に向けて順調な業績拡大を予想すること、などによる。
予想ROE:27.7% PBR:13.1倍、来期予想PER:38.3倍、来期予想EPS成長率:24%
株価(2/9終値):2,176円 Fモデルによる理論株価:784円(2月9日by高田悟)
TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出しております。
算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、レポート発行時に算出した値です。