今週の注目レポート (12月9日)

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。

●ニッパツ(5991)【 2+→2+】
「上期は大幅営業増益、自動車関連改善により下期は更に上向く見通し」
TIWでは投資評価は「2+」を維持する。その理由は、23/3期上期決算では上期は1Q(4-6月)が減益も2Q(7-9月)に増益に転じ大幅営業増益で着地し、米国拠点の損益改善によりシート事業が黒字化したこと、年間配当金は増配を予想したこと、などがポジテイブ、下期は上期及び前年から増益が見込まれる、23/3期通期は経常段階以降の利益予想に上振れ余地がある、懸架ばね及びシート事業の収益体質改善、電動車向け部品伸長、HDD用サスペンション(23/3期下期は一時的に受注が落ちる見込みだがニアライン向け中心に中期的な需要見通しは堅調)及び半導体プロセス部品堅調等により24/3期以降も増益基調をTIWは予想する、更には、株価指標面(23/3期TIW予想PER7.0倍、実績PBR0.61倍等)に割安感が強いこと、などによる。
予想ROE:8.7% PBR:0.6倍、来期予想PER:7.9倍、来期予想EPS成長率:-11%
株価(12/9終値):881円 Fモデルによる理論株価:1,722円(12月8日by高田悟)

●イチネンホールディングス(9619)【 1→1】
「上期は計画を超過達成、通期で20期連続営業増益の可能性が高まる」
TIWは目標株価1,830円を維持し、投資評価は「1」を継続する。その理由は、23/3期上期は遊技機向けで前年の特需の反動が大きく、一部の事業では円安、原材料高騰影響を強く受けた。それでも多角化戦略を推進してきた中で好調事業の増益でカバーし、営業段階で増益を確保し、計画を超過達成したことが評価できる、2桁営業減益を見込む23/3期通期計画を中間時点で据え置いているが、良好な計画進捗等からTIWは計画上振れ、20期連続の営業増益と営業過去最高益更新を見込むこと、中核自動車リース関連の安定成長と自動車リース関連以外の収益力強化、そして積極的なM&A推進により24/3期以降も堅調な業績展開が続くとのTIWの見方に変化がないこと、更にはTIWの23/3期予想ROE12.53%に対し実績PBR0.64倍の株価は余りに評価不足と考えること、などによる。
予想ROE:12.5% PBR:0.6倍、来期予想PER:5.0倍、来期予想EPS成長率:4%
株価(12/9終値):1,241円 Fモデルによる理論株価:2,424円(12月9日by高田悟)

 

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出しております。
算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、レポート発行時に算出した値です。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。