1月17日妥当レンジ 21,200円~22,900円
企業業績は弱含みであるが、“期待”は萎まず?

2020/01/21

【「IFIS/TIWコンセンサス225」によるマーケットの妥当レンジの推計】

投資のポイント 

<再び米国市場への追従が強まるか?>
■15日に米中は、貿易協議「第1段階の合意」に関して正式に文書に署名した。合意内容は、中国が貿易戦争前の水準に対して2年で2,000億ドルの米国製品を輸入するほか、7項目に及ぶものであり、進捗状況に関する監視も含まれている。
■16日発表の米小売売上高(12月)は前月比+0.3%、11月も速報値の+0.2%から+0.3%に上方修正された。クリスマス~年末商戦が好調であったことが伺えた。17日発表の米住宅着工件数(12月)においては、利下げ効果と温暖な天候が着工を促したことから前月の改定値に対して+16.9%の大幅増となった。
■17日発表の中国の各種統計(12月分:鉱工業生産・小売売上高・固定資産投資)は、いずれも市場予想を上回った。
■16日にトランプ大統領は、空席となっているFRB理事に欧州復興開発銀行の元米国代表のシェルトン氏、セントルイス連銀調査局長のウォラー氏を指名すると発表。上院の承認が必要ではあるものの、両氏ともにハト派として知られる人物であり、緩和的な金融スタンスへの期待が続くことが予想される。
■今週は、日銀金融政策決定会合(20-21日)、ECB理事会(23日)があるが、政策変更は見込まれていないため注目は高くない。今週末辺りから国内企業の3Q決算が本格化するが、市場期待に届かないものが多かったとしても、今後(=来期)への“期待感”が残る市場のセンチメントを変えるには及ばないと考える。ただし、上値はバリュエーション面での割高感が強いこともあり、抑制されると考える。

< 「コンセンサスDI」は一転、全期間で50%を下回る>
■「IFIS/TIWコンセンサス225」(アナリストコンセンサス予想EPSを225型に集計)は、全期間で前週比マイナスとなった。「コンセンサスDI」(前週比プラスになった企業の比率)も先週とは移転し、全期間で50%割れとなった。結果的に前週の数値がイレギュラーであった可能性が高い。
■年初から1月16日までの業績下方修正の発表数は43件(前年同期は32件)と前年を上回るペース。バリュエーション面では、移動平均PER(EPSを向こう1年間に加重平均して算出)で17.95倍と前回の高値(18年1月の18.38倍)に迫る。

 

 

◇日経平均妥当水準(レンジ)

21,200円~22,900 (前回21,300円~23,000円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(1月17日)来期予想ベースEPSをもとに算出

◇IFIS/TIWコンセンサス225(1月17日)

今期予想EPS 1255.40 (前週1262.17円)
来期予想EPS 1379.99 (前週1388.45円)
再来期予想EPS 1501.19 (前週1509.24円)
今期予想PER 19.15 (前週18.90倍)
来期予想PER 17.42 (前週17.18倍)
再来期予想PER 16.01 (前週15.80倍)
来期予想PBR 1.13 (前週1.13倍)
来期予想ROE 6.47% 前週 6.56%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
6.20% (前週 6.28%)

1月17日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

  

  


日経平均株価と妥当レンジ(上限)との乖離が強まる。

来期予想ベースのプラス企業比率は、 45.646.748.457.7%→45.3
再来期予想ベースのプラス企業比率は、46.752.9%→45.954.7%→42.7
再び全期間で50%を下回る(今期は43.2
%)。基調はやはり弱含みか!?

[注:4~5月は例年、対象決算期変更の影響があるのでイレギュラーな値になることに留意]

出所:IFISコンセンサスを基にTIW作成
いずれも2014年1月から表示

 

 

 

「IFIS/TIWコンセンサス225」について
IFIS/TIWコンセンサス225」は、株式会社アイフィスジャパンが集計しているアナリストコンセンサス・データ等を原データとして、2009年4月より株式会社ティー・アイ・ダヴリュが東証株価指数(日経225)に対応するように構成銘柄のEPSを算出・集計したものである。今期予想EPS、来期予想EPSの変化を追うことによって、マーケット全体の業績見通しを確認する。
理論上では株価は、自己資本配当率(ROEと配当性向の積)、EPS成長率、無リスク証券の利回り(国債利回り)、リスクプレミアムの4要素で決定される。株価をこれら構成要素に分解することによって、株価変動の要因について考察するとともにファンダメンタルからの妥当な株価(マーケット)水準を思量する。なお、リスクプレミアムを正確に計測することは、一定期間を経た後でないと困難なことであることから、当レポートではインプライド・リスクプレミアム(株価と他の構成要素からの逆算値)を使用している。
4つの構成要素の内、株価の短期的な変動に最も影響を与えるのがリスクプレミアムである。リスクプレミアムは、無リスク証券の金利に対して投資家が要求する上乗せ金利と定義されるが、投資家心理(マーケットセンチメント)、他の投資対象(金融商品)との利回り格差の変動などによって変化する。長期的な見通しの変化が無い中では、インプライド・リスクプレミアムは一定のレンジ内で推移する傾向にある。日経平均株価の妥当水準を算出には、インプライド・リスクプレミアムの一定レンジからの逆算によって行っている。
〔今期予想ベースEPS、来期ベースEPSにおける“今期”、“来期”の取扱い〕
会計上の業績計測期間ではなく、本決算発表を基準とする。例えば、2011年4月30日現在では、2011年3月期は決算発表前であれば今期、決算発表が行われていれば前期、となる。
〔予想EPS増減社数〕
今期ベースならびに来期ベースを示している。週間(週末値)のデータを基に、前週末に比べてEPSが増加・変化無し・減少した企業の数。
〔予想PBR(今期末)〕
前期末BPS(1株純資産)に今期予想EPSを加えて、予想DPS(1株配当)を控除した値(=予想BPS)で株価を除した数値。中間配当は考慮していない。
〔予想ROE(来期ベース)〕
前述の予想BPSで来期予想EPSを除した値。
〔リスクプレミアム〕
特に断りの無い限りインプライド・リスクプレミアムを表す。計算式は、{ 1-予想配当性向×(1-予想B/Pレシオ)}×予想ROE-無リスク証券利回り

 

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
TIWマガジン「投資の眼」   株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。