日経平均38,000円台を方向感なく推移し膠着状態…日本株これからどうなる?~2024年5月10日版~

2024/05/10

 

日本株が困った状態になりました。一時は日経平均株価の下落が止まらず、37,000円を割りそうに見え、さらなる下落リスクを想定しなければならない状況でした。

しかし、そこから下落が止まり38,000円台で落ち着いてからは、ほぼ水平状態とも言える横ばいになり「膠着状態」に入りました。

ここまで株式市場が動かないと、私たち個人投資家にとって利益の源泉となる株価変動がないこともあり、何もできないのが直近の状況かもしれません。

しかも、まるで株式市場が固まってしまったような状態ですので、次の展開を読むにもとても難しい状況が続いています。はたして、この膠着状態から日本株市場はどのように動こうとしているのでしょうか。

そこで今回も、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。

 

今週の株式市場動向


こちらをご覧ください。こちらは2024/4/23~2024/5/9の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。

  • 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
  • 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
  • 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
  • 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
  • OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
  • RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数

※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください

これらの指数をふまえると今週の株式市場は日経平均株価と株式市場全体が、”ほぼ連動していない週”でした。

そうなると、日経平均株価だけで相場分析している人と、私たちのように株トレンド指数も使って相場分析している人で差異が生じると思われますが、その点はあまりない週だったと考えられます。

その最大の要因は4月下旬から続く「”無風状態に近い”」状態が、まだ続いているからです。4月下旬と比較すると、今週は多少風が出てきたように見受けられますが、依然として無風状態に近い状態が続いています。

そのようなこともあり、日経平均株価は膠着状態に近い変動を見せ、株トレンド指数はほとんど発生しない状況です。年間を通しても、このような膠着状態は珍しいでしょう。

もちろん、この背景にはゴールデンウィークも関係していると考えられます。今年は株式市場が連休と連休の間に営業日になり、株式市場のプレイヤーの動きがバラバラだったでしょう。

結果的には連休と連休の間は、株式市場が動きませんでしたが、お互いがお互いの動きを把握しきれず、全員で様子見になってしまったようにも見受けられます。

このように「とにかく動きがない」のが、先週から今週にかけての株式市場でしょう。そのようなこともあり、今週の株式市場を日別で見るのは割愛します。

では、ここまで膠着状態になった株式市場ですが、直近2ヶ月間の状況もふまえると、現状はどのように見えるのでしょうか。

日経平均株価を基準に見ると、4月中旬に見せた下落が止まり、そこから若干の上昇を見せ、そこからは横ばいに推移していることが分かります。

この動きを見る限り、4月下旬に予測した通り、ボックス圏の下値目安は37,000円付近だと考えられます。ただし、その範囲は一時よりも狭く、上値目安は39,000円付近だと考えられます。

ボックス圏の範囲は上値から下値を見ても2,000円程度の範囲ですので、今の日経平均株価の水準を考慮すると、小さな変動にとどまると考えられます。つまり、それは引続き「横ばい状態」が続くことを示しているでしょう。

株トレンド指数を基準に見ると、一時的に天井指数が上昇する場面が見られるものの、それほど大きな上昇にはなっていないことから、日経平均株価の下落が止まっていこう「無風状態」が続いていることが分かります。

また、ここから次の展開に向け準備するような動きも見られないことから、ここでも引続き「横ばい状態」が続くと考えられます。

このように両者が「横ばい状態」を示していることから、ここから日本株市場はしばらく大きく上にも下にもいかない膠着状態が続くと考えられます。

では、この膠着状態を作り出す株式市場全体の需給バランスも見ておきましょう。タイムラグはありますが最新の 「投資主体別売買動向」を見ると、需給バランスは、以下の通りでした。

  • 外国人投資家:大きく売り→やや買い
  • 個人投資家:大きく買い→やや売り
  • 日本の機関投資家:わずかに買い→わずかに買い

最新のデータでは、このような需給バランスでした。これを見る限り、需給バランスは三者三様であることもあり「中立」の状態であることが分かります。

しかも、誰かが大きく動くことはなく、ほぼ中心点に集まった中立です。これでは、株価が動かず「膠着状態」になるのも仕方ない状況だと言えます。

よって、株式市場の需給バランスも膠着状態、日経平均株価も膠着状態、株トレンド指数も膠着状態という、まるで三重苦のような膠着状態が今の株式市場だと考えられます。

こうなると、ここから考えなければならないのが「いつ動くか?」です。もちろん、これは誰にも分かりません。ここまで膠着は、振り子で例えると中心で止まった状態です。

ただし、株式市場は振り子と違い生き物でもあります。そうなると、想定しておいたほうが良いのが「突発的な上昇や下落」でしょう。

とはいえ、直近の動向を見る限り、下落方向への動きは少ないので、例えば考えられるのは4/30や5/9のような上昇です。あくまでも無風状態と比較しての上昇になりますが、こういった上昇が突発的に発生すると考えられるでしょう。

ただし、その上昇は株式市場全体を牽引するような上昇ではないでしょう。よって、利益を狙うための上昇ではなく、あくまでも「株式市場の動きとして、そのようなこともあるかもしれない」という把握にとどめておくのが良いと思われます。

なお、直近の詳細データではなく、これまで分析を重ねてきた結果から生じる相場観の話にはなりますが、もしこのまま膠着状態が続くと、2021年以降の株式市場”特有の動き”で推移するかもしれません。

2021年以降の株式市場は、長期投資をしている人は恩恵を受けていますが、短期売買をする投資家にとっては、なかなか難しい状況が続いています。

日経平均株価が3万円台まで上昇し、4万円を狙える水準ではあるものの、節目まで上昇するタイミングを掴むことが難しく、結果的に上昇しているに過ぎません。

一時は、短期売買をする投資家にとっても良い株式市場になりかけましたが、なかなか実現しないことを考慮すると、やはり2021年以降の株式市場”特有の動き”が続いているのかもしれません。

その特有の動きについては、こちらの動画の前半で解説しています。

今回は、データから読み取れることだけでなく、データ分析の蓄積から得た相場観も含まれてしまいましたが、今週の株式市場と、ここからの株式市場はこのように読み取れました。

そうそう、1つ言い忘れましたが「ここから決算発表時期に入る」ことが理由で、株式市場が膠着状態になっているという考えもあるかもしれません。

しかし、私たちのデータ分析によると、決算発表と株価には相関性があまりないという結果を得ています。やはり、「株価は1年後や半年後を反映する」と言われる通り、仮に決算発表で大きなマイナスがあっても、それほど変わらないのが株式市場です。

そのようなこともふまえると、決算発表ではなく2021年以降の株式市場”特有の動き”に再び入ってしまったように見受けられます。

上でご紹介した動画は過去のものになりますが、内容は今年の株式市場向けに作成されたものです。ぜひ、このような上昇も参考にしていただきながら、この膠着状態が動き出すまで我慢強く待ちましょう。

 

※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。

※2.本記事は2024/4/25(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。

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この記事を書いている人

高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ) ー高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)ー

トレード歴12年以上の現役トレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。

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