日経平均38,000円到達し、39,000円上抜けも射程圏内に高値圏を推移中…ここが天井?~2024年2月16日版~

2024/02/16

 

日経平均株価が終値ベースで38,000円に到達しました。そして、2/16の前場時点で、年初来高値を更新し、一時ではあるものの38,865円まで到達しました。

今週3日間だけで37,000円…38,000円と、日経平均株価は順調に推移してきています。1月中旬以降のボックス圏から上抜けし、まさに好調といえる状況でしょう。

しかし、ここまで日経平均株価が上昇してくると、少しずつ気になってくるのが「そろそろ天井ではないか…」という心配かもしれません。

もちろん、その一方で楽観的なスタンスで、39,000円にも到達して、そのまま40,000円到達を考えている方もいるかもしれません。

そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。

 

今週の株式市場動向


こちらをご覧ください。こちらは2024/2/1~2024/2/15の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。

  • 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
  • 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
  • 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
  • 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
  • OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
  • RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数

※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください

これらの指数をふまえると今週の株式市場は、先週と違って日経平均株価と株式市場全体が、”ほぼ連動している週”でした。

今週は日数が少ないこともあり、あくまでも参考としての分析になりますが、そのような動きが見られる週でした。

なお、日経平均株価と株式市場全体が、ほぼ連動していると日経平均株価を基準に相場分析している人と、私たちのように株トレンド指数を基準に分析している人では差異がないように見えるかもしれません。

しかし、実際はこのわずか3日間の中で、差異が生じてしまうのが今週でもありました。

そこで詳細を見ると、2/13は日経平均株価が急上昇したように見えたときでした。日経平均株価は円単位でみると1,000円以上の上昇を見せただけでなく、終値ベースで節目の38,000円目前まで上昇しました。

そのようなこともあり、日経平均株価を基準に相場分析する人の中でも、”円単位”で見てしまっている人は、錯覚を起こし「日本株急上昇」と考えてしまったでしょう。

ですが、割合でみると、約3%の上昇でしたので、同じ上昇でもそこまで大きな上昇ではありませんでした。あくまでも、今年に入ってからは、最も大きな割合の上昇を見せただけで、上昇トレンドに入ったと判断できるほどの上昇ではありませんでした。

それにも関わらず、この上昇は日経平均株価を円単位で見ている人にとっては、株式市場のトレンドの判断を誤らせる上昇だったと考えられます。

一方、株トレンド指数を見ると、日経平均株価が約3%の上昇を見せたことに連動するように、天井指数が1月中旬以降では最も高い水準まで到達しました。

しかしながら、こちらもあくまで1月中旬以降の期間では高い水準に到達しただけで、1月上旬から中旬に掛けて見せた短期的な上昇トレンドの水準には達していません。

その点をふまえると、株トレンド指数を基準に相場分析する私たちにとっては、この2/13の上昇は急上昇でもなければ、上昇トレンドの入口とも判断できない単なる一時的な上昇だったと読み取れます。

そして、2/14、2/15は日経平均株価が38,000円に到達したこともあり、上昇率よりも体感では大きく上昇したような錯覚に陥りやすいタイミングだったでしょう。

よって、日経平均株価を基準に相場分析している人にとっては、この3日間が場合によっては急上昇から38,000円に到達したという良い印象の残る期間だったかもしれません。

それに対して、株トレンド指数を基準に相場分析する私たちは、2/14、2/15の期間は、上昇の勢いは残っているが、まだ上昇トレンドに入ったわけではないという判断ができたでしょう。

なぜなら、上昇傾向を示す天井指数が2/13の水準よりも下回っているからです。また、その上昇にブレーキを掛ける空売り指数の水準が、目安となる「50」の水準に近づいてきているからです。

例えば、日経平均株価を基準に相場分析してる人の中には、2/14、2/15の日経平均株価の小幅変動は、次の上昇に向けた「押し目買い」のチャンスと考えている人もいるかもしれません。

ですが、株トレンド指数を見ると、その押し目買いのチャンスを示す「押し目買い指数」は、それほど高い水準になっていません。

むしろ、2/13の上昇の前日である前週の2/9は「4」になっていたので、株式市場全体が押し目買いの動きをする可能性が少なからずあったでしょう。

ですが、2/14、2/15はその水準が小さくなりましたので、押し目買いのチャンスとは判断しにくいでしょう。

このように今週の株式市場は、内容が散見してしまいましたが、日経平均株価の動きや、節目に到達している印象と違って、株式市場全体は難しい動きをしていると考えられます。

また、今週だけの動きを見ると「そろそろ天井かもしれない」という選択肢も出てきました。空売り指数は目安となる「50」付近まで上昇すると、株式市場の上昇傾向にブレーキを掛ける傾向があります。

もし、この50付近を連日保つようになると、次は本格的な上昇トレンドに入る可能性が高まります。ただし、連日保つのは、なかなか難しく、その確率は低いものです。

2/16前場時点で日経平均株価が高値を更新していることから、もしかすると空売り指数50の水準を連日維持する可能性もありますが、この2/16の水準次第で、ここが天井付近なのか、それともまだ上昇の余地があるのかの判断ができるでしょう。

このように、日経平均株価が節目の水準に達し、そのまま高値圏を推移しているものの、株式市場全体と考えると、なかなか難しい状況になっているのが現状です。

では、直近2ヶ月間の状況もふまえて、より現状を詳しく見てみましょう。日経平均株価を基準に見ると、先週時点では1月中旬のボックス圏を上抜けしたとは判断が難しいところでしたが、今週の上昇でほぼ上抜けしたと判断できるでしょう。

ただし、厳し目にみるとボックス圏の上値付近で跳ね返られる可能性もまだあります。あくまでも厳し目に見た場合ではありますが、一つの見解として捉えておくと良いかもしれません。

株トレンド指数を基準に見ると、今週の株式市場は、日経平均株価が円単位で節目を更新しているほど、上昇トレンドが発生していないことが分かります。

今起きている上昇は、1月中旬から小さいながらも継続的に続いている上昇の中で一時的に発生した上昇だと読み取れます。

また、これはデータ分析による傾向の話ですが、株価はボックス圏の推移が長ければ長いほど上にも下にも大きく抜ける動きがあります。

その傾向を踏まえて見ると、1月上旬に見せた上抜けの前段階のボックス圏の期間よりも、直近のボックス圏の期間のほうが短いことが分かります。

つまり、このボックス圏の期間から見ても、今週の日経平均株価の上昇は、節目を更新した円単位の話ほど、上昇しない可能性が高いと考えられます。

もちろん、今は前述のとおり、空売り指数の水準が維持されるかに掛かっています。しかし、ボックス圏の長さなどをふまえると、次の展開を楽観視するのは危険でしょう。

このように、日経平均株価の推移を見るととても順調に推移しています。ですが、株式市場の状況を株トレンド指数で見ると、日経平均株価の推移ほど順調にトレンドが発生していないことが分かります。

もちろん、細かい部分を見れば、ここから本格的な上昇トレンドに入る可能性もあります。ただし、それには確率の低い上昇が揃わない限り起きないので、基本的には次の展開を中立に見ておくのが良いでしょう。

特に日経平均株価については、直近の上昇は寄与度の高い一部の銘柄が牽引しているように見受けられ、それが円単位での上昇につながっていると思われます。

反対に、寄与度の低い銘柄は、日経平均株価の上昇率のような小幅の変動を見せています。日経平均株価には、そのよな裏側もありますので、十分に内訳を見ながら推移を見ていくと良いでしょう。

繰り返しお伝えしているとおり、直近の株式市場は日経平均株価と株式市場全体の動きに差異が生じています。

そのような動きが見られますので、株トレンド指数を必ずあわせて状況を確認したり、日経平均株価の内訳である寄与度のバランスなどを見ながら、状況を把握していくと良いでしょう。

 

※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。

※2.本記事は2024/2/16木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました(日経平均株価のみ2/17前場時点のデータを含みます)。予めご了承くださいませ。

この記事の「株トレンド指数」を使うことで、相場の天井付近や底値付近を、できるだけ具体的に知ることができます。もし、あなたも実際に有効な「売買のタイミング」を習得したいなら、この記事で使用している『株トレンド指数(無料版)』を今すぐ手に入れてください。

 

この記事で使用している【株トレンド指数(無料版)】を受取るにはこちらをクリック

 

【無料】で『株トレンド指数(無料版)』を受け取るには、今すぐこちらをクリックしてください。

この記事を書いている人

高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ) ー高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)ー

トレード歴12年以上の現役トレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。

<無料>高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック

【高橋佑輔の関連記事】

株式会社シナジスタ
なぜ「高値掴みする投資家」と「底値付近で買える投資家」がいるか?それは「値動きの法則」の知識の差です。その法則を使い、過去12年で11年間利益を上げる現役トレーダー高橋佑輔が相場を分析。法則を学び、底値付近で買える投資家を目指しましょう。
株式会社シナジスタの提供する、コラム・教育サービスは、投資に関する考え方の一例をご紹介するというものですので、その正確性や完全性等について保証するものではありません。 実際の投資はお客様のご判断・ご責任で行って頂くものであり、当社は、お客様の投資におけるいかなる利益も保証するものではなく、また、お客様の投資によるいかなる損害に対しても補償を行うものでもありません。 本書の内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。内容に関するご質問・ご照会等にはお応え致しかねますので、あらかじめご容赦ください。

このページのトップへ