日本株、いつから上昇開始する?~2021年11月19日版~

2021/11/19

 

「なぜ、自分が買った瞬間、株価が下がってしまうのか?」…今週の株式市場は、売買のタイミングが難しく、そう思っている個人投資家も多いかもしれません。

日本株全体が、なかなか動き出しましせん。今週前半は日経平均株価が上昇してスタートしましたが、半ばから下落しています。

前週もふまえると、株価の状況が日々変わり、どちらに動くのか、全く分からないに等しい状況かもしれません。

特に、9月中旬の短期的な上昇が発生してから、それ以降はトレンドらしいトレンドが発生していないので、今の株式市場に難しさを感じている人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、私が日本株市場のトレンドを捉えることを目的に、独自に開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきます。

 

まだボックス圏を推移中?


まず、こちらをご覧ください。こちらは10/21~11/4の日経平均株価と、株トレンド指数の状況です。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。

  • 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
  • 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
  • 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
  • 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向

この4つの指数をふまえると、前週は日経平均株価の動向で日本株市場のトレンドを捉えている方にとっては難しい一週間だったかもしれません。

日経平均株価と個別株の連動性が比較的小さく、場合によっては逆方向に動くこともあったでしょう。

また、端的な調整局面だったのか、上昇を示す天井指数が上がっても、上がり過ぎを示す空売り指数も上がっていたので、思った方向に株価が動きにくい環境だったかもしれません。

特に、この空売り指数は、株式市場にブレーキを掛ける存在ですので、天井指数と空売り指数が均衡していると、余計にどちらに動くか方向感がつかみにくく、難しさを感じたかもしれません。

そして、その流れの中、今週に入りました。今週は、前週と違い、日経平均株価と株式市場全体の動向が比較的連動する週でした。

ただし、やや難しかったのが、日経平均株価の上昇よりも、株式市場全体のほうが、やや上昇傾向にあったことでしょう。

日経平均株価でトレンドを捉えている人にとっては、日経平均株価が小幅の上昇にも関わらず、個別株はそれよりも上昇するなど、同じ上昇でも差異があったと考えられます。

これまでの無風状態から状況は、やや変わりましたが、依然として方向感がつかみにくい難しい状況が続いています。

その方向感がつかみにくい状況を、より詳しく把握することを目的に、直近2ヶ月間の状況も用意しました。こちらをご覧ください。

 

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

こちらを見ると、9月中旬に、突発的に発生した短期的な上昇を除いては、それ以降、ほとんど株式市場が動いていないことが分かります。

日経平均株価は、動いて見えるかもしれませんが、今週にようやく日経平均株価と株式市場全体の動きが、やや連動しただけで、それ以前は、ほぼ連動していない状況が続いていました。

それをふまえると、日経平均株価と保有銘柄や注目している銘柄が逆方向に動くことも頻繁にあったと考えられるのが、9月下旬からの動向です。

そして、このように2ヶ月間の動きで見ると分かりますが、株式市場全体がほとんど動いていないことを表すかのように、日経平均株価も、ボックス圏を推移中です。

しかも、このボックス圏ですが、5月に発生した短期的な下落トレンドと、9月の短期的な上昇トレンドを踏まえても、4月以降続いていると考えられます。

前々週に、そのボックス圏を抜けそうな動きが見られましたが、まだ抜けていないことを考慮すると、ここからボックス圏を抜け方向感が出たとき、上にも下にも大きく動く可能性が高いでしょう。

では、週明けの株式市場は、どのような展開が予測されるのでしょうか。

 

週明けの株式市場の動向は?


週明けの株式市場の展開を予測するにあたり、まず「OVER指数」を見てみましょう。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

「OVER指数」とは、上昇トレンドの展開を大まかに読み取れる指標です。

先月のOVER指数はマイナス圏に突入していました。今月に入ると、OVER指数は小さく上昇し、プラス圏に入ったり、マイナス圏に入ったりとしています。

この動きは、これまでのデータを見る限り、このあと「上昇トレンドが発生」する可能性があるというサインとも読み取れます。

また、ボックス圏が長期に続いているという背景もありますが、ここから上昇する場合は、これまでのデータ分析の結果を見る限り、大きな上昇を迎える可能性があります。

具体的なタイミングとしては、今月末頃に、小さな上昇が発生し、来月上昇に大きな上昇が発生するイメージです。

もし、週明けのOVER指数が、30~50の水準まで上昇し、それが連日続くと、そこから大きく株価が上昇し、このような動きになるかもしれません。

ただし、ここで注意点があります。それは、上昇トレンドに入る確率は、順張り戦略をもとに考えると「40%」程度の確率なので、「60%」程度は、いわゆる「ダマシ」であるということです。

よって、現状は大きな上昇トレンドに入ることを期待したいところですが、その可能性は50%以下なので、ダマシに合う可能性が高いことは、必ず考慮しておきましょう。

あくまでも現時点では、方向感がないボックス圏ですので、まだこの状況が継続することも考えられます。

そういった意味でも、安易に上昇を期待せず、ボックス圏を抜けたら、どちらの方向に動くかを冷静に見ると良いでしょう。

トレンドをいち早く掴みたいという願望があるかもしれませんが、株式投資は方向感が決まってからでも売買のタイミングはあります。

決して焦ることなく、ボックス圏をどう抜けるかを慎重に見ていきましょう。

では、下落する可能性はどれくらいあるのでしょうか?次は、こちらの「RISK指数」をご覧ください。

 

週明け暴落の可能性は?


「RISK指数」とは、暴落や大幅下落の展開を大まかに読み取れる指標です。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

このRISK指数は、平常時はマイナス圏を推移しています。ただし、暴落や大幅下落があるときは、その直前にプラス圏に現れます。

10月前半はプラス圏に入り、暴落の警戒を緩められませんでした。しかし、前週からマイナス圏に入り、警戒が緩まりました。

ただし、やや気になるのが、前週や今週に、やや上昇の動きが見られることです。依然としてマイナス圏を推移していますが、一桁台に上昇しているタイミングがあります。

そういった意味では、「これから日本株上昇する」などと楽観的に考えることなく、万が一のリスク管理は怠らないほうが良いでしょう。

なお、仮に突発的に暴落が起きる場合でも、過去の暴落時を見る限り、高い確率で、暴落前日に、このRISK指数がプラス圏に入ります。

何もない状態から一気に暴落するのではなく、そういった前兆がありますので、ぜひこういった視点でリスク管理をしておくと良いでしょう。

 

どうする…週明けの投資戦略?


11/12までの投資主体別売買動向によると、「外国人投資家」「個人投資家」が売り、「機関投資家」が買いの状況です。

需給バランスでみると、前週は売りと買いのバランスが、ほぼ均衡状態。引き続き、どちらに動くか全く分からない状況のまま、今週に入りました。

そろそろ、ボックス圏を抜ける兆しがありましたが、受給バランスの状況をふまえると、まだボックス圏を抜けきれていないことが分かります。

そのような中、RISK指数は、やや気がかりなところはありますが、安全圏に入り、OVER指数がこれから上昇の可能性を示す動きに近づいてきているように読み取れます。

それをふまえると、ダマシの可能性もありますが、そのリスクをふまえつつ、やや上昇への準備をしても良いかもしれません。

特に、現在のボックス圏は、今年の中では長い状況です。データ分析する限り、ボックス圏の期間が長ければ長いほど、ボックス圏を抜けたときに、上にも下にも大きく動くという傾向があります。

イメージとしてはボックス圏では、弓矢を引くように、エネルギーを溜めている状態です。

その弓が放たれることなく、まだエネルギーを溜めている状態ですので、もし上抜けした場合は、大相場の可能性もあるでしょう。

特に、日本株は12月に上昇しやすい傾向があるので、OVER指数の動向や、この傾向をふまえると、12月上旬に大きな上昇の可能性があるとも考えられます。

OVER指数が「30~50の水準まで上昇し、それが連日続く状態」になったら、それは上昇トレンドが発生するサインとも読み取れます。

もし、そのような動きが見られるときは、このボックス圏を上抜けすることを想定し戦略構築すると良いでしょう。

ただし、繰り返しになりますが、上昇には「ダマシ」がつきものなうえ、ダマシの確率は60%程度と、50%を超えています。

また、前週の段階でもボックス圏を抜けそうな兆候はありましたが、なかなか抜けきれない状況が続いています。

よって、下落リスクをふまえつつ、ボックス圏を抜けないときは、耐えるという戦略も選択肢として入れて置くと良いでしょう。

もちろん、それと同時にボックス圏が抜けたときの戦略構築をすることもオススメします。

データ分析では、ここからボックス圏を抜け上昇する可能性はありますが、ボックス圏を抜けきらない場合と、抜けるとしても上抜け、下抜けと、あらゆるパターンが想定されるのが、来週の株式市場です。

そう言った意味では、どれかに偏ることなく、あらゆるパターンを想定して来週の株式市場に挑むのが良いでしょう。

ぜひ、このような情報を参考にしていただきながら、あなたの週明けの投資戦略を考えてみてはいかがでしょうか。

 

今週のポイント~4つ~


【ポイント.1】
11/12までの投資主体別売買動向によると、「外国人投資家」「個人投資家」が売り、「機関投資家」が買い。需給バランスでみると、前週は売りと買いのバランスが、ほぼ均衡状態。引き続き、どちらに動くか全く分からない状況。

【ポイント.2】
今週は前週と違って、日経平均株価と市場全体の動きが、ほぼ連動している状態。比較的長いボックス圏を抜けたように見えたが、まだ抜けきれていない

【ポイント.3】
OVER指数とRISK指数に目立つ動きは見られない。ただし、OVER指数は大きな上昇を控える動向に近いとも読み取れる。(しかし、60%の確率でダマシであることには注意が必要)

【ポイント.4】
約2ヶ月間の株トレンド指数の動向を見ると、引き続き明確なトレンドがなく横ばい状態。ただし、OVER指数をふまえると、このボックス圏を12月上旬頃に上抜けする可能性があるとも読み取れる。 ▶ 判断が難しい状況

 

※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。

※2.本記事は2021/11/18時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。

 

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この記事を書いている人

高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ) 高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)
トレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。12年間でたった一度負けがあっただけで、11年間安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック

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