自民党総裁選、マーケットへの影響は?
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◆候補者の経済財政政策に注目!
混迷模様の自民党総裁選(9月27日投開票)は、12日の告示日時点での立候補者は8名前後とみられています。総裁選の仕組み(下図ご参照)から、1回目投票では党員票、上位2位による決選投票にずれ込む場合は国会議員票の行方に大きく左右されます。新総裁はその後の臨時国会で首班指名されるため、総裁選は事実上の首相を決める選挙になります。
自民党総裁選は金融市場にどう影響するのでしょうか。同じ政党出身者ですので、政策の方向性に大きな違いはないとの見方もあります。しかし今回、出馬を予定している候補者の正式な政権構想は発表されていませんが、これまでの言動から経済政策・財政政策には違いがみられます。その実効性如何では、株式や債券、為替市場のみならず、日銀の金融政策にも少なからず影響がありそうです。また、エネルギー政策を巡る原発の活用なども注目されそうです。
9月6日時点で、正式に出馬表明しているのは、小林鷹之元安全保障担当大臣、石破茂元幹事長、河野太郎デジタル改革担当大臣、林芳正官房長官、茂木敏充幹事長、小泉進次郎元環境大臣の6人です。各種世論調査では、高市早苗経済安保担当大臣も有力候補に挙がっています。8月19日にいち早く立候補を表明した小林氏は、政策面では経済政策を最初に挙げ「『経済は財政に優先する』というのが基本的な考え方で、世界をリードする戦略産業を育成する」と述べました。また高市氏は、7月に出演したインターネット番組で、「国も必要なところにしっかりお金をかけて、税収が増える形を作っていくことが大事だ」としており、積極財政の姿勢を示しています。石破氏は、今年に入ってからの円安を「円弱」と指摘、経済政策を巡って8月に発行した新著で、金融緩和、財政出動、成長戦略を柱とした「アベノミクス」に関しては、「功罪についてきちんと評価すべき時期が来た」としています。8月26日に立候補表明会見を行った河野氏は、日本の財政の現状を「有事」とし、「そろそろ財政規律をしっかり取り戻さなければならない」と語りました。
立候補を予定している候補者の中でも経済・財政政策には大きく開きがあり、経済成長を強く標榜しているかどうか、財政政策について積極的かどうかによって市場への影響が大きく現れる可能性もあります。
今、自民党は「刷新感」が必要とされています。先行きの解散・総選挙=株高のアマノリーの実現には経済政策に加え、刷新感をアピールできる候補者が求められるかも知れません。
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