日米通商協議『FFR』の進捗状況は?

日米通商協議『FFR』の進捗状況は?

『FFR』は、「自由で公正かつ相互的な貿易取引(Free、Fair and Reciprocal Trade Deals)のための協議」の頭文字からとった、日米間の新しい貿易協議の略称です。両国間の貿易・投資のさらなる拡大を通じて、公正なルールに基づく自由で開かれたインド太平洋地域における経済発展を実現することを目指しています。2018年9月25日に行われた第2回会合の焦点は、米国による自動車関税の発動です。

【ポイント1】第2回『FFR』は現地時間9月25日午前に開催

NAFTA再交渉等を抱える米国から開催日変更の要請があった模様

■ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表と、茂木経済財政・再生相は、9月25日午前(日本時間同日夜)にニューヨークで、『FFR』の第2回会合を開催しました。当初は24日夕方(日本時間25日朝)の開催が予定されていましたが、カナダとの北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉等を抱える米国側から日程再調整の要請があった模様です。

【ポイント2】米国による自動車関税の発動を回避できるか?

日本の農産物関税引き下げにも注目

■『FFR』第2回会合の内容は公表されていませんが、焦点は「米国による自動車関税の発動や、自動車の輸入制限を回避できるか」と見られます。自動車産業は、裾野が広く、素材産業を含め多くの産業に影響を及ぼすだけに、最重要課題といえるでしょう。従来、日本政府は、環太平洋経済連携協定(TPP)等の多国間貿易協定を重視してきましたが、自由貿易協定(FTA)等の二国間協定の受け入れも視野に入れ、自動車への追加関税の発動を回避する方針です。

■そのほか、米国が求める農産物の関税引き下げも注目されます。日本はTPPで合意した水準にとどめたい考えです。11カ国が加盟するTPPは、2019年初めの発効を見据え、各国で国内手続きが進められていますが、日本がTPPの水準を超える条件を米国にのみ認めれば、他のTPP加盟国からの反発は必至だからです。

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【今後の展開】不透明要因は、中間選挙を控えたトランプ大統領の姿勢

■会合終了後に茂木経済財政・再生相は、「貿易促進の方策や枠組みについて、基本的な認識は一致」と述べました。もっとも、自動車関税等の詳細については、「26日に予定されている日米首脳会談で合意したうえで発表したい」と語るにとどめました。

■米国では11月6日に中間選挙を控えていますが、下院の与党共和党は劣勢が伝えられています。それだけに、トランプ大統領が、さらなる成果を求めて強硬姿勢を強めてくる可能性も否定できず、日米首脳会談への注目が高まります。

(2018年 9月26日)

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