習近平総書記を権威づけた「6中全会」(中国)

<今日のキーワード>習近平総書記を権威づけた「6中全会」(中国)

「6中全会」とは、中国共産党の重要会議の1つで、「党中央委員会第6回全体会議」の略称です。約200人の委員を抱える党機関の中央委員会は、全体会議を年1~2回開きます。5年ごとの党大会のサイクルのなかで、全体会議で党の重要政策や人事を決めます。そして、全体会議で決めたことを国会にあたる全国人民代表大会(全人代)で追認します。 「6中全会」は10月24日~27日に北京で開催されました。

【ポイント1】習近平総書記が別格の指導者「核心」に

習氏への権力集中を進める動き

■中国共産党の第18期「6中全会」が27日閉幕しました。採択されたコミュニケで、習近平総書記は別格の指導者である「核心」と位置づけられました。党の重要会議の文書で習氏を「核心」と表現したのは初めてです。「核心」と呼ぶ表現は、過去、毛沢東、鄧小平、江沢民の3氏だけに使われたものです。最高指導者としての位置づけを強めたもので、習氏への権力集中を進める動きと見られます。

 

【ポイント2】党内規律に関する文書見直し

反腐敗運動が加速する見込み

■ 「6中全会」では、党内規律に関する2つの文書が見直され、綱紀粛正が強化されました。1つは1980年に定められた「党内政治生活に関する若干の準則」です。毛沢東への権力集中で大混乱に陥った文化大革命への反省から集団指導体制の重視を定めた準則が36年ぶりに見直されました。

■もう1つは2003年に制定した党幹部の規律を定めた「党内監督条例」の13年ぶりの改訂です。

■これらのルール見直しにより、習氏が主導する反腐敗運動が一段と加速しそうです。

 

20161101mk

 

【今後の展開】構造改革進展に期待

■「6中全会」を受け、党内で別格の存在であることが示された習氏への権力の一極集中がより鮮明になったと考えられます。更に、習氏は2017年秋の第19期党大会(1中全会)に向けた人事で権力基盤強化を図ると見られます。

■次期党大会では、党幹部の定年が延長され、金融業界に精通しているとされる王岐山氏が首相に就任するとの見方があります。その場合、競争力の強化に向けた「供給側改革」や「国有企業改革」が加速することが期待されます。
(2016年11月 1日)

印刷用PDFはこちら

今日のキーワード 習近平総書記を権威づけた「6中全会」(中国)

 

関連マーケットレポート

2016年10月25日 「70都市住宅価格指数」は上昇(中国)

2016年10月19日 最近の指標から見る中国経済(2016年10月)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会