「年末年始の旅行」は過去最高へ(日本)

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大手旅行会社では、毎年アンケート調査に基づいて、年末年始の旅行動向について発表しています。その時々の景気動向が反映され、消費や景気を読み解く判断材料にもなります。なかでもJTBの調査は、航空会社の予約状況、JTBの販売動向なども加えた推計で、今年で47回の歴史を有します。

【ポイント1】国内の増加が海外の減少を補う

海外旅行人数は、円安、日並びや海外情勢の悪化から減少へ
■大手旅行会社JTBが発表した調査では、12月23日から1月3日までの間に出発する旅行者の数は、前年比0.2%増の3,058.8万人と過去最高になる見込みです。国内旅行者が0.3%増の2,996.0万人となる一方、海外旅行者は▲4.3%減の62.8万人を見込んでいます。

■海外旅行者の減少は、円安傾向であること、正月三が日が週末と重なることに加え、国際情勢への不安が高まっていることなどがあげられます。行き先別では香港、シンガポール、台湾の人気が高まり、逆に欧州、韓国の落ち込みが目立ちます。

【ポイント2】今年の旅行はプチ贅沢に

昨年の節約ムードから一転
■今年の国内旅行の特徴は、昨年に比べ旅行日数の1泊や2泊の割合が低下し、3泊4日の割合が16.4%と前年比3.1ポイント増加しています。

■宿泊場所についても「旅館・ホテル」などの利用が44.9%と6.8ポイント上昇しました。低下したのは「実家や知人・友人の家」です。昨年と比べちょっと贅沢な選択を消費者が行っていることがうかがえます。利用交通機関は、ガソリン安を背景に「乗用車」が全体の69.0%と1.6ポイント上昇しています。

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【今後の展開】国内旅行者の増加は景気の下支え要因に

国内旅行消費は前年比2桁増が続く
11月に観光庁が発表した旅行・観光消費動向調査によれば、7-9月期の日本人による国内旅行消費額は6.5兆円で、前年同期比で14.8%増と、4-6月期に続き2桁増となっています。年末年始についても旅館やホテルの利用が昨年より大幅に増える見込みで、景気の下支え要因となることが期待されます。

訪日旅行客増で国内旅行見直し
今回の調査とは別にJTBが3月に実施したアンケートによれば、国内旅行についての考え方の変化として、「泊まってみたいと思える宿泊施設が増えた」、「乗ってみたいと思える観光列車や新幹線が増えた」などに加え、「訪日旅行者の増加がきっかけで日本の良さを再認識した」との答えが注目されます。

(2015年12月15日)

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