日経平均株価のテクニカル分析
市川レポート(No.523)日経平均株価のテクニカル分析
- 日経平均株価は、5月30日につけた安値の21,931円65銭を下回ると、一段安となる可能性も。
- ただ、75日と200日移動平均線が日経平均株価を22,000円水準で支える展開も想定される。
- 日経平均株価は、より長期では上昇トレンドにあるため多少の調整は値幅の範囲内と解釈できる。
日経平均株価は、5月30日につけた安値の21,931円65銭を下回ると、一段安となる可能性も
今回のレポートでは、テクニカル分析を使い、日経平均株価の短期的な方向性を探ってみます。日経平均株価は、5月21日に23,050円39銭の高値をつけた後、徐々に値を下げ、5月30日に21,931円65銭の安値をつけました。その後は反発し、6月12日に23,011円57銭の高値をつけましたが、結局5月21日の高値を超えられず、再び下げ基調に転じています。
日経平均株価がこの先、5月30日の安値21,931円65銭を下回ると、図表1の通りダブルトップの形状となり、一段安の可能性が示唆されます。5月21日高値と5月30日安値の差は1,118円74銭で、6月12日高値と5月30日安値の差は1,079円92銭です。これらの数字を5月30日安値から差し引くと、それぞれ、20,812円91銭、20,851円73銭となり、これらが日経平均株価の計算上の下値目途となります。
ただ、75日と200日移動平均線が日経平均株価を22,000円水準で支える展開も想定される
なお、20,812円91銭や20,851円73銭は、日経平均株価が一段安となった場合の、計算上の目安に過ぎません。また、6月26日時点で、日経平均株価の75日移動平均線は22,152円37銭に位置し、200日移動平均線も22,050円98銭に位置しています。そのため、これらが比較的強い下値支持線として作用し、日経平均株価を22,000円水準で支えるという展開も想定されます。
日経平均株価が、節目の22,000円を割り込んだ場合でも、日足の一目均衡表の雲下限が21,698円94銭に位置していますので、ここが次の下値抵抗線として意識される可能性が高いとみています。なお、6月26日時点で、パラボリック・システムのSAR(ストップ・アンド・リバース)は22,871円90銭に位置しています。日経平均株価がこのレベルを回復すると、短期的な株価上昇が示唆されます。
日経平均株価は、より長期では上昇トレンドにあるため多少の調整は値幅の範囲内と解釈できる
米中貿易摩擦問題に対する市場の警戒感は強く、日経平均株価はしばらく、上値の重い展開が予想されます。そのため、日経平均株価は目先、下げ方向への注意が必要で、75日移動平均線と200日移動平均線により、22,000円台を維持できるかが焦点となります。一方で、SAR水準も22,871円90銭と、それほど遠い水準ではありませんので、日経平均株価の一段高への期待も残ります。
また、日経平均株価の動きを、少し長い期間でみてみます。2016年6月24日週の安値14,864円01銭と、2018年3月30日週の安値20,347円49銭を結び、これを下限とします。これに並行する形で、2018年1月26日週の高値24,129円34銭を通る上限を引くと、トレンドチャネルを描くことができます(図表2)。これをみる限り、日経平均株価は、より長期では上昇トレンドにあるため、多少の調整は値幅の範囲内と解釈できます。
(2018年6月26日)
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