高市政権は食料品の消費税ゼロにどう取り組むか
高市政権は食料品の消費税ゼロにどう取り組むか
-
- 高市首相は9日、責任ある積極財政を政策転換の本丸とし、大胆に投資を進める方針を示した。
- 弊社は食料品の消費税ゼロは実施とみる、秋に関連法の成立で実施は来年度内か来年4月か。
- 具体的な財源は国民会議での議論を待つことになるが日本版DOGEの財政効率化にも要注目。
高市首相は9日、責任ある積極財政を政策転換の本丸とし、大胆に投資を進める方針を示した
高市早苗首相は2月9日、前日に投開票が行われた衆議院議員選挙の結果を受け、自民党本部において党総裁として記者会見を行いました。市場では、与党圧勝となった今回の衆院選を経て、高市首相が「責任ある積極財政」について、改めてどのような考えを示すのか、また、食料品の消費税減税について何を語るのか、注目が集まっていました。以下、記者会見での高市首相の発言を踏まえ、それぞれポイントをまとめていきます。
まず、責任ある積極財政について、高市氏は「高市政権で進める政策転換の本丸」と位置付け、「行き過ぎた緊縮志向、未来への投資不足から完全に脱却」するとし、危機管理投資、成長投資を、国が一歩前に出て大胆に推進していく考えを明らかにしました(図表1)。また、「毎年補正予算が組まれることを前提とした予算編成と決別し、必要な予算は当初予算で措置」する方針を示しました。
弊社は食料品の消費税ゼロは実施とみる、秋に関連法の成立で実施は来年度内か来年4月か
次に、食料品の消費税減税について、高市氏は、給付付き税額控除制度を導入するまでの間、「2年間に限り、飲食料品に対する消費税率をゼロとすることについて、国民会議においてスケジュールや財源のあり方など、その実現に向けた諸課題の検討を進めていく考え」を明示しました(図表2)。財源は、特例公債(赤字国債)に頼らず、補助金や租税特別措置の見直し、税外収入などで財源を確保し、早期実現の意向を示しました。
これらの高市氏の発言は、衆議院の解散を表明した1月19日の首相官邸における記者会見での発言とほぼ同じ内容でしたが、与党圧勝という衆院選の結果を受け、今後、高市氏の考えを強く反映した政策が着実に進められる見通しとなりました。弊社は食料品の消費税ゼロは実施されるとみており、一般的には、秋の臨時国会における関連法の成立を経て、2026年度内に実施、間に合わなければ2027年4月に実施、という流れが想定されます。
具体的な財源は国民会議での議論を待つことになるが日本版DOGEの財政効率化にも要注目
なお、食料品の消費税をゼロとした場合、年5兆円程度の税収減になる模様です。参考までに2025年度の補正予算では、税収の上振れ(約2.9兆円)、税外収入(約1兆円)、前年度剰余金受入(約2.7兆円)を合わせると約6.6兆円になり、2年(度)の間、同額を確保できれば税収減を補うことができます。ただ、安定した財源とはならないため、具体的な財源については、国民会議での議論を待つことになると思われます。
減税の財源については、2025年11月に内閣官房に設置された「租税特別措置・補助金見直し担当室」、いわゆる「日本版DOGE(政府効率化省)」の動きも注目されます。日本版DOGEは、予算の無駄遣いを減らす明確な方針を示しており、租税優遇措置や補助金に加え、基金の見直しも対象にしているため、今後、大幅な財政効率化の余地が示されれば、高市政権の責任ある積極財政が市場の信認を得る流れにつながることも予想されます。
(2026年2月10日)
●当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
●当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
●当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
●当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
●当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
●当資料の内容に関する一切の権利は当社にあります。本資料を投資の目的に使用したり、承認なく複製又は第三者への開示等を行うことを厳に禁じます。
●当資料の内容は、当社が行う投資信託および投資顧問契約における運用指図、投資判断とは異なることがありますので、ご了解下さい。
三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会


