マイナス金利下での内外債券投資

2016/02/04

1.マイナス金利が長い期間の利回りに波及

日銀が1月29日にマイナス金利導入を決定したことを受け、国内の金利は軒並み低下し、国債の利回りは残存期間が9年程度までマイナス圏に沈んでしまっています。プラスの利回りを狙うならこれより期間の長い債券ということになります。今後は、まだ利回りがプラス圏にある長期債、超長期債などの期間の長い債券利回りに下押し圧力がかかることが想定されます。

もっとも、日本に先んじてマイナス金利を導入したスイスやユーロ圏のイールドカーブ(利回り曲線)は全体的に低下しているものの、マイナス金利導入前と比べ、大きくフラット化(平坦化)が進行しているわけではありません。一段の利下げ観測に加え、金利リスクに見合ったリスクプレミアム(上乗せ金利)や遠い将来の金利上昇が反映されているとみられます(図表1)。

日本のイールドカーブをドイツと比較すると、残存期間10年までは既にドイツよりフラット化しています(ほぼ横並び状態)。10年超の超長期ゾーンについては、ドイツの10年~20年の利回り差は0.48%程度に対し、日本は0.72%程度と、日本についてはまだ利回り差の縮小余地が残っています(3日時点)。20年~30年の利回り差はほぼ同水準。10年債利回りがゼロ%に近づく局面では、20年債利回りが0.5%程度の水準まで低下することも想定されます。

ただ、日銀が市中発行額に相当する規模の長期国債を買い入れているものの、2日には10年国債入札への警戒が高まるなど、入札ごとに不安定な動きが続くことも考えられます。相場の落ち着きを待って、超長期ゾーンのブル・フラット化(利回り低下・平坦化)が進むことになりそうです。

2.20年債利回りを基準に外債投資を検討すると

日米欧のイールドカーブを比較すると、追加緩和観測が広がっているユーロ圏では、ドイツ国債は利回りが低く魅力は薄いものの、信用力でやや劣るフランス、イタリア、スペインなどは、利回り面では投資対象となりそうです(図表2)。また、米国も利上げ局面にあるものの、非常に緩やかな利上げが見込まれることや、過去の利上げ局面でも、長期金利などは安定的に推移する傾向がみられることから、米国債も投資対象として検討したいところです。

仏国債については、日本の20年国債利回りを上回るのは、10年超の国債になります(図表3)。もっとも、ユーロ圏は短期金利の水準が日本より低いため、あらかじめ将来の為替レートを確定する為替ヘッジをする場合には、短期金利差に相当する為替ヘッジコストを支払うのではなく、受け取ることができます(為替ヘッジプレミアム)。この分を上乗せすると、仏10年債の利回りが日本の20年国債の利回り水準を上回ることになります(ヘッジコスト/プレミアムを3か月物の短期金利差で仮置き)。スペイン国債では、為替ヘッジなしでは7年債、為替ヘッジありでは6年債が日本の20年国債の利回り水準を上回ります(図表4)。

他方、米国債については利上げ局面にあることから、相対的に利回り水準が高く、3年債で日本の20年国債の利回り水準を上回ります(図表5)。ドル円の為替ヘッジについては、米国の方が金利が高いため、短期の内外金利差に相当するコストがかかります。ドル安・円高を見込み、為替リスクを回避する場合には、ヘッジコストを支払うことになります。為替ヘッジコストを差し引いた場合には、6年超の米国債利回りが日本の20年国債の利回りを上回ります。積極的な米利上げやドル高・円安を見込むのであれば、為替ヘッジせずに米短期債投資、慎重な米利上げを見込む場合や為替リスクを回避したい場合には、やや長めの米国債投資を検討することになりそうです。

20160204

 

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