2022年の10大ニュース:戦争、インフレ、円安など
歴史に残りそうな多数の出来事
今年の重大ニュースを挙げるのは、例年よりも容易です。歴史的な出来事が、2022年は多数発生したからです。とはいえ10個に絞るのは、簡単ではありません。それでも世界経済・政治の調査に携わる筆者の立場から10大ニュースを選ぶとすれば、以下のとおりです。ただ、順序は重要度順とは限りません。
1. コロナウイルスとの共存へ
米欧は「ウィズ・コビッド」を進め、日本もそれに慣れてきました。中国も12月、「ゼロ・コビッド」を事実上断念しました。これらはコロナウイルスの定着を意味し、人類敗北と言うべきかもしれません。
2. ロシアがウクライナに侵攻
2月から起こった戦争は、歴史に残る大きな出来事です。これを始めたロシアのプーチン大統領の主要動機は、大ロシアの復権です。結局、歴史を動かすのは理屈ではなく、情念の混ざった思想なのでしょう。
3. 米欧民主主義が底力を示す
米欧は結束してロシアに制裁を行う一方、ウクライナを様々に支援しています。民主主義を守る、との大義があるからです。米国の中間選挙における極端な右派の苦戦も示すように、米欧民主主義は健在です。
4. 中国は極めて難しい局面に
一方、米欧がライバル視する中国には、厳しい年となりました。不動産市場の低迷や、コロナウイルスの感染拡大が景気を圧迫したのです。中でも感染症対策では、3期目に入った習近平政権は迷走気味です。
5. 世界各国でインフレが加速
ロシア・ウクライナ戦争は、世界経済に大きな影響を及ぼしています。特にエネルギーや食品の価格上昇で、インフレが加速しました。ロシアとウクライナは、世界有数の資源・穀物生産国であるためです。
6. 世界の経済成長率が低下へ
インフレは、人々の実質購買力を弱めます。また、原材料コストの増大は、工業生産や企業利益の逆風となります。それらを背景に、昨年に急回復した世界経済の成長率は、今年、顕著に低下する見込みです。
7. 世界中の中央銀行が利上げ
インフレを抑制すべく、主要国・地域の中央銀行が、利上げなどの金融引締めを進めました。黒田総裁が率いる日銀も12月20日、ついに事実上の利上げ(長期金利の許容上限引上げ)を余儀なくされました。
8. テクノロジー株などが下落
金利上昇は企業業績などを圧迫するため、多くの場合、株安材料となります。よって米国などでの利上げに伴い、割高感のあった米国の主要テクノロジー株などが大きく下落したのは、やむを得ないことです。
9. 国債利回りが世界的に上昇
インフレや利上げは、国債利回りを押し上げます。それは米国債で顕著ですが、日本国債の利回りも年初に比べ上昇しました。金融危機(2007-09年)後の世界的な超低金利環境は、終わりつつあるようです。
10. ドル高・円安が一時加速
米国債の高い利回りなどを見込んでドルが買われ、ほかの主要通貨に対するドル高が一時加速しました。対ドルの下落がとりわけ目立ったのは、日本円です。その一因は日本経済の衰退、と言わざるを得ません。
図表入りのレポートはこちら
https://www.skam.co.jp/report_column/topics/
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