「新しい日常、新しい日本」:コロナショックを変革の好機に

2020/05/19

緊急事態宣言解除へ

「喉元を過ぎれば熱さを忘れる」のは、人の常かもしれません。しかし、世界中を襲った新型コロナウイルスをめぐる経験は、最悪期が過ぎたとしても、多くの人にとって忘れがたいものになるでしょう。

また、忘れるべき経験でもありません。たしかに日本でも、新規感染は減りました。そのため4月7日に出た緊急事態宣言は、今月中に全国で解除されるかもしれません。しかし、感染再拡大の危険は残ります。よって、他人との距離確保や在宅勤務からなる「新しい日常」を、定着させることが肝要です。

日本の対処は成功?

日本政府も、検査や休業補償において、対処が遅れたのを忘れてはなりません。ましてや「このウイルスによる死亡者は欧米に比べ少ないので、日本の対処は成功」と主張するのは、適切ではありません。

そうした比較は、同じ地域内で行うべきです。欧米とアジアでは、死亡率が全く違うからです(文化や人種などの関係か?)。そしてアジアでは、日本の死亡者は多い方です(図表1)。例えばベトナムは、厳格な外出規制や優れた科学技術による検査が成功し、このウイルスによる死亡者は現在までゼロです。

油断を反省すべき

政府の対処には、大半の日本国民も満足していません(図表2)。それに対し、ベトナム、マレーシア、インドの政府は、国民から高い評価を得ています。明確な方針や、迅速な対処が支持されているのです。

日本の対処が遅れたのは、新型コロナウイルスのリスクに関し、しばらく過小評価されたことが最大の原因です(筆者も含め金融市場の関係者も同様でしたが。一方、ベトナムなどの政策担当者は1月時点で危険性を認識)。油断したことを反省し、「新しい日常」を徹底するための教訓にしたいところです。

景気は急激に悪化

ウイルスのリスクが認識された後も、日本の対策は曖昧で、法的強制力の乏しい休業要請などにとどまりました。経済への影響を恐れる財界と、休業補償などを抑制したい政府の思わくが合致したのです。

にもかかわらず、日本の景気は現在、急激に落ち込んでいます。国内総生産(GDP)は、1-3月期に前期比年率3.4%減となった後、4-6月期には同20%前後の減少が見込まれます。厳しい規制を見送ったがゆえにウイルスの流行と緊急事態が続き、かえって不景気が長引いてしまった可能性もあります。

日本の実態が露呈

「新しい日常」が定着し、ウイルスの再流行が阻まれた場合に限り、日本のGDPも7-9月期には前期比増に戻るでしょう。ただし「新しい日常」は、過去の意識、生活・勤務様式との決別を意味します。

すでに新型コロナウイルスをめぐる経験は、日本人の意識に深い衝撃を与えています。何より、政治の質(問題解決力)、医療体制、科学技術などの面で、日本はもう先進国と言えない、と多くの人は気付き、ショックを受けています。この忘れがたい経験を、「新しい日本」へ変える好機とせねばなりません。

図表入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/topics/

 

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