来週の金融市場見通し(2018年10月22日~2018年10月26日)
■来週の見通し
米中貿易摩擦への懸念や中国経済の減速への警戒に加え、欧州連合(EU)がイタリアの予算案を受け入れないなどイタリアの財政問題や、米国とサウジアラビアの関係悪化への懸念などを背景に、内外の金融市場は不安定な動きになっています。ただ、米長期金利がやや落ち着いてきたことは安心材料。2018年7~9月期の米実質国内総生産(GDP)速報値なども確認したいところです。
◆株価 : 上値の重い展開か
日本株は上値の重い展開が予想されます。引き続き米国の金利上昇や中国の景気減速が懸念されるほか、米国とサウジアラビアとの緊張なども投資家心理を圧迫する見込みです。日経平均株価は2万2千円台後半が当面の上値目途となりそうです。一方、本格化しつつある米国の企業決算は総じて好調と見込まれること、および米国の利上げを背景にドル安・円高余地は当面小さいとみられることなどが日本株を下支えする見通しです。
◆長期金利 : 日銀の意図を探る
長期金利は0.140~0.145%の狭いレンジが続いていましたが、木曜日には日銀が国債買入れの運用の一部を見直すとの観測から0.15%に上昇しました。日銀が毎月末に発表している国債買入れオペの日程を非公開にするなどの思わくが、市場にくすぶっています。23日に日銀が開催する「市場調節に関する懇談会」や、月末の「当面の長期国債等の買入れの運用方針」を確認するまでは、動きにくい相場が続きそうです。
◆為替 : ドル円調整局面継続か
堅調な米国景気を背景に米連邦準備制度理事会(FRB)は12月に利上げを実施すると思われます。米長期金利は3.2%近辺で高止まりしており、基本的にはドル円を下支えするでしょう。しかし、米中貿易摩擦問題などのリスク要因に加え、これまで上昇してきた日米株価が調整局面にあることなどから、しばらくはドル円もポジション調整が必要と思われ、114円を上限に調整局面が継続すると考えています。
◆Jリート : 方向感を探る
Jリートは、安倍首相が2019年10月の消費増税を予定通り実施する方針を示すと伝わったことや、米国が日本の通貨安誘導を封じる「為替条項」への警戒から、株価とともに一旦下落したものの、安定した分配金利回りが期待できるJリートを買う動きが広がり、底堅い動きになりました。国内金利がやや不安定な動きになっており、Jリートも動きにくい状況です。長期金利や株価をにらみながら、方向感を探ることになりそうです。
■来週の注目点
日中首脳会談 10月26日(金)
安倍首相は25~27日に中国を訪問し、26日には習近平国家主席、李克強首相との首脳会談を行う予定です。今年は日中平和友好条約締結40年周年にあたり、首脳会談により日中の関係改善をアピールする狙いとみられます。また、米国と中国、米国と日本の貿易摩擦が懸念される中、改めて保護主義に反対する旨が確認されそうです。ただし、日本にとって中国と米国はいずれも重要な貿易相手国であるため、双方との良好な関係を維持するという、やや難しい舵取りが安倍政権には求められます。
米耐久財受注(9月) 10月25日(木)午後9時30分発表
8月の米耐久財受注は、民間航空機・同部品の受注大幅増や国防関連の受注増を反映し、市場予想を上回る前月比4.4%増と今年2月以来の大幅な伸び率となりました。一方で、航空機など輸送機器を除くコア資本財の受注は横ばいと大きく予想を下回りました。
9月は、航空機および輸送機器は8月の反動で大幅な受注減が見込まれ、前月比1.0%程度の減少を想定しています。しかし、米国景気拡大は継続しており、設備投資や鉱工業生産は引き続き底堅い動きとなっていることから、変動の大きい輸送機器を除くコア耐久財受注は同0.4%増とプラス圏の伸びを想定しています。
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