来週の金融市場見通し(2018年3月26日~2018年3月30日)

2018/03/23

■来週の見通し

米連邦準備制度理事会(FRB)は、大方の予想どおり利上げを決定しましたが、年内の利上げ見通しが引き上げられず、市場に安心感が広がりました。一方、トランプ大統領は中国製品への関税賦課を命じる大統領令に署名。貿易戦争への懸念が広がっています。国内では27日に森友問題で佐川前国税庁長官の証人喚問が実施される予定です。不透明要因が多く、内外の金融市場は不安定な動きになりそうです。

◆株価 :貿易戦争懸念で軟調推移か

米国発の貿易戦争(輸入規制措置など)への懸念などを受け、株式市場では弱気姿勢が強まりました。この問題については、中国による対抗策や日本企業への影響など不透明要因が多いことから、当面、日経平均株価は軟調に推移する見通しです。円高の進行や安倍内閣の支持率低下も日本株を圧迫しそうです。ただ、米国のインフレや金利上昇への警戒感は若干後退しており、これは米国株や日本株を下支えする材料となりそうです。

◆長期金利 : 低位もみ合い

長期金利は0.035~0.04%の狭いレンジでの動きが続いていましたが、週末には貿易戦争への懸念が広がり、内外の株価が大きく下落する中、0.02%と昨年11月の水準まで低下。米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げが決定されましたが、利上げ加速観測が後退したことから、内外の金利への影響は限定的でした。トランプ大統領の通商政策やロシア疑惑に加え、森友問題などを背景に、国内金利は低位での推移が見込まれます。

◆為替 :  投資家心理悪化から上値は重そう

ドル円は、米利上げの影響は限定的で、106円を挟んだもみ合いが続いていましたが、週末は貿易戦争への懸念などから投資家心理が大きく悪化し、逃避通貨とされる円が上昇。ドル売り・円買いから、ドル円は105円を割り込みました。23日には中国が米国への報復措置を発表したことに加え、トランプ政権の外交・安全保障を取り仕切るマクマスター大統領補佐官の辞任が伝えられました。上値の重い展開が続きそうです。

◆Jリート :  落ち着き待ち

東証REIT指数は、利益確定売りが広がったことや、貿易戦争への懸念などから株価が急落し、投資家心理が大きく悪化する中、値を下げる動きに。ただ、海外情勢に影響を受けにくいとして買いも入り底堅い動き。23日の株価急落局面でも、Jリートの下落は限定的。長期金利が低下する中、予想分配利回りは4.2%弱と高い水準。貿易戦争の広がりや政治リスクなどを確認しながら、方向感を探ることになりそうです。

来週の注目点

鉱工業生産指数(2月、速報値) 3月30日(金)午前8時50分発表

鉱工業生産指数は1月に前月比6.8%低下の99.3(2010年=100)となりました。低下は4か月ぶりで、低下幅は東日本大震災の起こった2011年3月以来の大きさを記録しました。2月については上昇に転じる見込みですが、米国向け自動車輸出の低迷などを背景に、3月は再び低下しそうです。そのため1-3月期の鉱工業生産指数は、前期比低下となる可能性が高いとみられます。これらを背景に、国内総生産(GDP)成長率も、1-3月期は低調な伸びにとどまると予想されます。

米個人消費支出(2月) 3月29日(木)午後9時30分発表

1月の米個人消費支出(PCE)は、前月比0.2%増、個人所得は同0.4%増となるなど、市場予想程度の伸びとなりました。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)が物価目標とするPCE価格指数は前年比1.7%上昇と、前月と変わらず若干停滞感が残りました。

とはいえ税制改革法の成立により、一時賞与や所得税減税の恩恵から、実質可処分所得が2015年以来の高い伸びとなっており、今後、個人消費支出は緩やかながらも堅調な推移が想定されます。2月の個人消費支出は前月比0.2%程度、個人所得は同0.4%程度と前月並み伸びを予想するとともに、PCE価格指数は前年比1.8%程度の上昇を想定しています。

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

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