来週の金融市場見通し(2018年1月22日~2018年1月26日)
■来週の見通し
良好なグローバル経済や企業決算への期待などを背景に、投資家のリスクオン(選好)が続いています。ただ、今月19日までの米暫定予算の成立が不透明になっており、仮に成立しないと一部の米政府機関が閉鎖される事態も想定されます。来週は、日銀金融政策決定会合、欧州中央銀行(ECB)理事会が予定されています。現状維持も、金融緩和策の縮小について、何らかの示唆があるかどうかが注目されます。
◆株価 : 国内の決算発表が本格化
業績期待などを背景に、NYダウが過去最高値を更新する中、日経平均株価も一時2万4,000円台に上昇。その後は、利益確定売りが広がり2万3,000円台に押し戻される動きに。米長期金利が上昇しても、ドル円の上値が重いことも、国内株の上昇を抑制している模様です。米暫定予算が成立すると、買い安心感が広がる可能性も。米株の動きに加え、来週から本格化する国内企業の決算発表を確認しながら、上値を探ることになりそうです。
◆長期金利 : 日銀の金融政策にらみ
米長期金利が上昇する中、国内の長期金利は一時0.09%と約半年ぶりの水準まで上昇しました。30年国債入札が不調だったことも、長期金利を押し上げた模様。日銀の国債買入れ減額に対する警戒も根強そうです。もっとも、0.10%は長期金利の上限の目安で、この水準を超えると、日銀が金利上昇を抑えるとみられます。日銀政策決定会合で、金融緩和政策の縮小について何らかの示唆があると、不安定な動きになることも想定されます。
◆為替 : 円高・ドル安水準でのもみ合い
ECBが債券買入れなどの量的緩和を早期に終了するとの観測から、ユーロ買い・ドル売りが強まり、対円でもドル売りが優勢。ドル円は110円台まで下落しました。将来的な日銀の量的緩和縮小(テーパリング)への警戒は円買い材料。米長期金利が上昇しても、ドル円の上昇は限定的で、来週は日銀金融政策決定会合にらみ。110~112円とやや円高・ドル安水準でもみ合いながら、方向感を探ることになりそうです。
◆Jリート : 値固め
東証REIT指数は年初から10営業日続伸して一時1,750ポイント台まで上昇。Jリートの底堅い動きが続いていたこともあり、投資機会を探していた投資家の買いが本格化した模様です。19日には反動売りから、上げ幅をやや縮小しました。Jリートの分配利回りは4.0%弱と、まだ高い水準ですが、急伸してきただけに、上昇一服となる場面も想定されます。もみ合いながら、1,700ポイント台での値固めになりそうです。
■来週の注目点
日銀金融政策決定会合 1月23日(火)午後に結果発表
今回も政策方針の現状維持が見込まれます。インフレ目標が日銀の目標(2%)に達する展望は全く開けていないものの、超低金利の副作用などを踏まえれば、年内に追加緩和が行われる可能性は低いとみられます。むしろ市場では、正常化方向への政策調整が年内に行われるとの観測が高まっています。そうした調整としては、長期金利誘導目標の引上げ、上場投資信託(ETF)買入れ額の減額などが考えられます。それらの可能性が示唆されるかどうかが、今回の会合および総裁会見の注目点です。
米耐久財受注(12月) 1月26日(金)午後10時30分発表
11月の米耐久財受注は、民間航空機や軍用機の受注の伸びが寄与し、前月比1.3%増となりました。しかし、航空機など輸送機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注は同0.1%減となりました。航空機および輸送機器はもともと変動が大きく、12月は前月の反動で輸送機器の若干の受注減少が見込まれます。耐久財受注は前月比0.6%の増加と伸びが減速する一方、米国景気は順調に拡大しており、設備投資も堅調な動きとなっていることから、輸送機器を除く耐久財受注は同0.6%増とプラス圏での推移を想定しています。
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