来週の金融市場見通し(2018年1月8日~2018年1月12日)
■来週の見通し
2日に発表された世界の製造業購買担当者景気指数(PMI、17年12月)が約7年ぶりの高水準になるなど、世界的な景気拡大を受けて企業の好業績への期待が高まり、内外の株価は良好な出だしとなりました。北朝鮮が平昌冬季五輪を前に、韓国との会談を受け入れたことも安心材料。ただ、米雇用統計や金融当局者の発言で、米利上げペースが加速するとの見方が広がると、投資家心理が冷やされる可能性も。
◆株価 : 決算発表待ち
大発会の国内株は、年末年始の休場中に海外株が上昇したことを受け、投資家のリスク選好が強まり、日経平均株価は2万3,500円を回復し、約26年ぶりの高値をつけました。5日も続伸し、2万3,700円台まで上昇。ドル円が112円台でもみ合う中での急伸は、やや期待先行。来週は、高値への警戒が広がる場面もありそうです。月半ばからの米企業決算発表や下旬からの国内企業の決算発表を控えます。高値でのもみ合いになりそうです。
◆長期金利 : 低下しにくいものの
米連邦公開市場委員会(FOMC、17年12月)の議事録で、大半の米金融当局者が緩やかな利上げを支持していることが明らかになりました。ただ、米長期金利の動きが限定的だったこともあり、株高にもかかわらず、国内金利は小幅な上昇。しばらくは、北朝鮮の地政学リスクがやや後退し、逃避需要が弱まっていることや、投資家のリスク選好が強まっていることから、長期金利は低下しにくいものの、上昇も限定的になりそうです。
◆為替 : 円安地合い
ユーロ買い・ドル売りが強まり、対円でもドルが売られ、ドル円は2日に112円台前半に下落しました。ただ、FOMC議事録で緩やかな米利上げが支持されたことや、良好な米経済指標を受けてドルが堅調な動きになり、112円台後半に戻る動きに。投資家のリスク選好が強まったこと、地政学リスクがやや後退したことも、逃避通貨としての円の売り材料。ドル円は強含みも、米金利が上昇しないと、ドル円の上値も限定的となりそうです。
◆Jリート : 一進一退の中、上昇余地を探る
東証REIT指数は昨年12月下旬以降、1,660~1,670ポイントの狭いレンジでの動きが続いています。日銀のJリートの買入額が年明けからリセットされ、通常ペースでの買入れが再開されると期待される中、株価が大きく上昇するなど投資家心理が改善していることも下支え材料。長期金利が0.05%前後で推移する一方、Jリートの分配利回りは4.1%強と高い水準。しばらくは一進一退の中、上昇余地を探ることになりそうです。
■来週の注目点
毎月勤労統計(11月) 1月9日(火)午前9時発表
毎月勤労統計調査によると、10月(確報値)の従業員1人あたり名目賃金は前年比0.2%増となりました。しかし物価が上昇する中、これを考慮した実質賃金は同0.1%減と、5か月連続のマイナスを記録しました。
多くの企業が賃金引上げに慎重であるため、11月についても、その伸び悩みが示されそうです。日本の景気は回復基調が見込まれるものの、賃金の低迷を踏まえれば、個人消費については緩やかな伸びにとどまりそうです。
米消費者物価指数(12月) 1月12日(金)午後10時30分発表
米国の消費者物価指数(CPI)は、11月に市場の予想通り、前年比2.2%の上昇となり、前月の2.0%上昇から伸びが加速しました。一方で、食品とエネルギーを除くコアCPIは同1.7%上昇と市場の予想を若干下回るとともに前月より伸びが若干減速しました。
米国では個人消費主導の景気拡大が続いている中、原油価格の上昇が顕著となっており、CPIは前月同様、前年比2.2%程度の上昇が見込まれます。また、コアCPIも米連邦準備制度理事会(FRB)の目標値である2.0%にはおよばないものの、昨年秋口から基調は回復しており、前月程度の底堅い伸びが想定されます。
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