来週の金融市場見通し(2017年9月4日~2017年9月8日)

■来週の見通し

北朝鮮は8月29日に日本上空を通過する弾道ミサイルを発射しました。ただ、投資家心理が悪化したものの一時的で、軍事衝突まではエスカレートしないとの見方が広がり、北朝鮮への警戒がやや和らいでいます。他方、米国ではハリケーン「ハービー」襲来による被害拡大を受け、債務上限引き上げや予算編成で議会が歩み寄り、政府機関閉鎖が回避されるとの見方が出てきています。とはいえ、9月9日には北朝鮮が建国記念日を迎えるため、核実験などの挑発行為が警戒されます。米国の債務上限問題や予算についても、5日から再開される議会審議を確認していく必要があります。

◆株価 : 神経質な展開の中、上値を探る

北朝鮮のミサイル発射を受け、警戒感が広がり、日経平均株価は8月29日に200日移動平均線(1万9,321円)を一時割り込みました。その後は、北朝鮮への警戒が和らいだことや、4~6月期の米実質国内総生産(GDP)改定値が上方修正されるなど米景気回復が続く中、低インフレを背景に米利上げペースが鈍化するとの見方から投資家心理が改善し、国内株は持ち直し。ドル円が強含んだことも押し上げ材料。ただ、北朝鮮の建国記念日が近づくと、警戒感が広がる可能性があります。

◆長期金利 : 国債買入オペ待ち

北朝鮮をめぐる地政学リスクへの警戒を受けた逃避需要に加え、米国の物価低迷を受け米長期金利が低下したことを背景に、国内の長期金利は1日にはマイナス0.005%と昨年11月以来のマイナス圏に沈みました。来週の日銀の国債買入オペで、5年超10年以下(6日)、3年超5年以下(8日)のオファー額が減額されると、国内金利の低下が一服する可能性も。もっとも、良好な需給が続く中、建国記念日を迎える北朝鮮情勢への警戒もくすぶり、金利上昇は限定的となりそうです。

◆為替 : 地政学リスクが重し

ドル円は北朝鮮のミサイル発射を受け、逃避通貨とされる円を買う動きが一時強まったものの、警戒がやや和らぎドル高・円安に。4~6月期の米実質GDP改定値が上方修正されるなど良好な米経済指標に加え、債務上限引き上げや政府機関閉鎖への懸念が後退したことも、ドル買い材料。7日の欧州中央銀行(ECB)理事会で、資産買入れの縮小が示唆されると、ユーロ高・ドル安が進行し、対円でもドルが弱含む可能性も。地政学リスクもドル円の重しになりそうです。

来週の注目点

ECB理事会 9月7日(木)午後8時45分 政策金利発表、午後9時30分 総裁記者会見

今回の欧州中央銀行(ECB)理事会では、来年以降のテーパリング(ECBによる資産買入れの段階的縮小)方針に関し、何らかの示唆があるかどうかが注目されます。

ユーロ圏経済は総じて堅調に推移しており、テーパリングの議論を開始すべき局面となっています。ただ、インフレ率は依然低い水準にとどまっています。また、ECBは最近のユーロ急伸を注視している模様ですが、テーパリングはユーロ相場を一段と押し上げる可能性があります。

そのため今回、テーパリングに言及する場合にも、インフレなどの指標を点検しつつ極めて慎重に進める旨を強調するものと見込まれます。

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