来週の金融市場見通し(2017年8月21日~2017年8月25日)
■来週の見通し
北朝鮮の金正恩氏が、グアム周辺への弾道ミサイル発射について「米国の行動をもう少し見守る」と、発射を見送ったことを受け、北朝鮮情勢への警戒感がやや後退しています。他方、米国ではバージニア州で発生した白人至上主義団体と反対派の衝突を巡るトランプ米大統領の発言が、共和党メンバーや米企業首脳から批判を浴びるなど混乱が広がっていることに加え、バルセロナでテロ攻撃が発生するなど、懸念材料が相次いでいます。北朝鮮では25日に先軍の日を迎える一方、21日から米韓合同軍事演習が始まり、注意が必要です。米ジャクソンホール会議での金融当局者の発言も確認したいところです。
◆株価 : 米朝の落ち着き待ち
4~6月期の国内総生産(GDP)実質成長率は年率換算で前期比4.0%増と、個人消費などがけん引し、予想を上回る伸びとなったものの、北朝鮮情勢の緊迫化への警戒から週初は大きく下落。その後、北朝鮮のミサイル発射が見送られたことから、国内株は持ち直したものの、トランプ米大統領の白人至上主義団体を擁護したと受け止められる発言をめぐる混乱で、日経平均株価は終値で1万9,500円割れ。企業業績は良好も、北朝鮮情勢や米政治が重しになりそうです。
◆長期金利 : 低位もみ合い
北朝鮮情勢の緊迫化に加え、トランプ米大統領の発言をめぐる混乱を背景に、長期金利はじりじりと低下し、週末には0.035%と、5月以来2か月半ぶりの水準まで低下しました。米金融当局者の利上げに慎重な発言なども安心材料。ジャクソンホール会議での講演などで、イエレン議長の利上げに前向きな姿勢が示されたり、北朝鮮情勢やトランプ政権の混乱への警戒が和らぐと、国内の金利低下が一服する可能性も。海外要因をにらみながらの、低水準でのもみ合いになりそうです。
◆為替 : 米朝が重し
ドル円は、北朝鮮のミサイル発射が見送られたことから、ドル買い・円売りが強まり一時110円95銭程度まで上昇しました。ただ、米国で低インフレが長引くとの見方から、利上げペースが鈍化するとの観測が広がり、やや軟調な動きに。加えて、トランプ政権の政策運営の不透明感が広がり、109円台前半まで下落する動きに。バルセロナのテロも重し。北朝鮮情勢やトランプ政権の混乱への警戒が和らぐと、持ち直す可能性も。ジャクソンホール会議での要人発言も確認する必要があります。
■来週の注目点
米ジャクソンホール会議 8月24日(木)から26日(土)まで
毎年8月下旬に米ワイオミング州ジャクソンホールで開かれる会議は、金融政策の先行きを見定める観点から、市場参加者の関心を集めるイベントです。
金融政策に関し現在特に注目する必要があるのは、米連邦準備制度理事会(FRB)のほか、欧州中央銀行(ECB)の動向です。
ECBについては、危機対応として始めた量的緩和策により、その資産保有額は大きく膨らみました。そうした中、ユーロ圏の景気は回復基調を強めていることから、量的緩和策の必要性には疑問が呈されています。
ただ、ドラギECB総裁は今回、それに関し新たなメッセージを発信しない見込み、との報道もあります。とはいえ、世界経済に対する同総裁らの見方を知るためにも、今回の会議は重要です。
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