来週の金融市場見通し(2017年4月17日~2017年4月21日)
■来週の見通し
米軍がシリア空軍基地に巡航ミサイルを発射して以降、地政学リスクが高まっています。米中首脳会談は波乱なく終了したものの、米軍が空母を朝鮮半島に向かわせたほか、「イスラム国」(IS)が潜伏するアフガニスタンの地域に特殊爆弾を落とすなど、軍事面での行動が目立ってきました。北朝鮮が核実験の準備をしているとの報道もあり、北朝鮮とトランプ政権の緊張は高まっています。ペンス米副大統領が18日に訪日する予定ですが、通商交渉だけでなく、北朝鮮問題も協議するとみられます。23日にはフランス大統領選の第1回投票が予定されています。神経質な動きが続きそうです。
◆株価 : 地政学リスクの後退待ち
国内株は週初こそ、円安進行や自律反発の買いなどから上昇したものの、地政学リスクの高まりを背景に、以降は軟調な動きに。ドル安・円高の進行に加え、米軍のアフガニスタン空爆などを警戒し、14日には一時1万8,300円を割り込みました。北朝鮮では15日が金日成主席の誕生105周年、25日が朝鮮人民軍創建85周年にあたり、挑発行為には注意が必要。2017年3月期の企業決算発表も本格化します。決算発表や地政学リスクをにらみながら、底打ちを探ることになりそうです。
◆長期金利 : 低位で一進一退
0.05%~0.07%の狭いレンジでの動きが継続していた長期金利ですが、地政学リスクの高まりを背景に、一時0.005%とゼロ%に接近しました。逃避需要から国債に買いが入ったことに加え、米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長を批判してきたトランプ氏が、「イエレン議長を尊敬している」、「低金利政策が望ましい」と、これまでの態度を改めたことを受け、米金利が低下したことも、国内金利の下押し材料。地政学リスク後退なら金利上昇も、上昇幅は限定的になりそうです。
◆為替 : 神経質な動きが継続
シリアや北朝鮮の地政学リスクを背景に、投資家のリスク回避姿勢が強まり、逃避通貨とされる円を買う動きが強まりました。さらに、トランプ氏が「ドルは強すぎる」、「低金利政策が望ましい」と述べたことを受け、米金利の低下とともにドル円は108円台に下落しました。北朝鮮は15日の後にも、25日にイベントが予定されており、地政学リスクが後退するかは予断を許さない状況で、神経質な動きが続きそうです。18、19日の日米経済対話も確認したいところです。
■来週の注目点
フランス大統領選第1回投票 4月23日(日)
今回のフランス大統領選は、今年最も注目される政治イベントの一つです。その第1回投票が4月23日に行われますが、ここで50%以上の票を得る候補者はいないと予想されるため、第1位と第2位の候補者が5月7日の決選投票へ進みます。
世論調査によれば、欧州連合(EU)脱退を掲げる極右のルペン氏と中道派のマクロン氏が若干優勢です。決選投票が両氏の争いとなった場合、マクロン氏が勝利するとみられます(「反極右」票が集約されるため)。マクロン氏は総じて穏健な政策を主張していることから、同氏が決選投票へ進めば、金融市場はこれを好感しそうです。
ただ、中道右派のフィヨン氏や急進左派のメランション氏も接戦に加わっています。メランション氏は、EU条約の再交渉、極端な再分配政策などを公約しているため、同氏とルペン氏が決選投票へ進んだ場合、市場の動揺が予想されます。
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