来週の金融市場見通し(2017年2月13日~2017年2月17日)
■来週の見通し
トランプ米政権の景気刺激策への期待が一旦後退していたものの、トランプ米大統領が「2、3週間で、税制について驚くような発表をするつもりだ」と発言したことを受け、財政政策やインフラ投資に対する期待が高まりました。減税の規模はレーガン政権の1986年以来の大きさになる模様。10日の日米首脳会談が無難な結果となれば、株式市場などで買い安心感が広がりそうです。来週もトランプ氏にらみですが、日本の10-12月期の国内総生産(GDP)、米国の1月の消費者物価指数、小売売上高、鉱工業生産に加え、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言も確認したいところです。
◆株価 : 首脳会談が無難なら上値を探る動きに
トランプ米大統領が金融規制を見直す大統領令に署名したことを好感し上昇も、大統領選が予定されているフランスの政局不安などが重しになり、日経平均株価は1万9,000円付近での一進一退の動き。ただ、週末は日米の貿易摩擦への過度な警戒が後退したことや、トランプ政権の財政政策への期待が広がり大きく上昇しました。日米首脳会談が無難な結果になれば、一段高となる可能性も。その後は、企業業績などを確認しながら底堅い動きになりそうです。
◆長期金利 : レンジでの動き
日銀が、2月3日に続き、6日、8日と「5年超10年以下」の国債買入オペを増額して立て続けに実施したことに加え、10年超の国債買入れを200億円増額したことを好感し、債券市場は落ち着きを取り戻す動きに。日銀が“ゼロ%程度”とする長期金利のレンジはマイナス0.1%~0.1%がコンセンサス。国内景気の持ち直しや、トランプ政権の財政政策への期待などから、国内の金利は下がりにくくなっており、長期金利は当面、レンジの上限付近での動きが継続しそうです。
◆為替 : 円安批判なければ円は一段安
1月の米雇用統計で平均時給が伸び悩み、FRBの利上げペースが緩やかになるとの見方が強まったことに加え、4、5月に予定されるフランス大統領選への警戒感が広がったことを背景に、ドル売り、円買いが強まり、ドル円は一時111円台まで下落。ただ、トランプ政権の減税などへの期待から、113円後半に戻る動きに。日米首脳会談で、通貨安誘導との批判が強まらなければ、円売りが広がる可能性も。イエレンFRB議長の議会証言も確認したいところです。
■来週の注目点
GDP統計(16/10-12月期、1次速報) 2月13日(月)午前8時50分発表
日本の実質国内総生産(GDP)は、7-9月期に前期比0.3%増(年率1.3%増)となった後、10-12月期も年率1%前後のプラス成長が見込まれます。
特に、米国や中国などの景気回復に伴い、輸出が大きめの増加を維持する見込みです。これらを背景に、設備投資も前期比プラスとなりそうです。一方、実質賃金の伸び悩みなどを受け、個人消費は低い伸びにとどまりそうです。
今年も、個人消費は引き続き低迷するとみられます。しかし、公共投資については、1-3月期以降、補正予算による効果が顕著に表れる見通しです。そのため、緩やかながらも景気回復基調が続くと予想されます。
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