来週の金融市場見通し(2017年1月23日~2017年1月27日)
■来週の見通し
1月20日にトランプ氏が第45代米国大統領に就任します。就任初日に4つか5つの分野で大統領権限を行使する模様です。具体的な内容は明らかになっていないものの、不法移民対策に加え自由貿易協定(NAFTA)や環太平洋経済連携協定(TPP)の見直しに関する大統領令も早期に出すとみられます。また、市場が注目する巨額の減税やインフラ投資といった景気刺激策の具体化についても、徐々に明らかになってくることが見込まれます。しばらくは、経済成長を押し上げる良いトランプ政策と保護貿易といった内向きの悪いトランプ政策を天秤にかけながら、方向感を探っていくことになります。
◆株価 : 不安と期待
英国の欧州連合(EU)離脱への警戒やドル円の下落から、日経平均株価は1か月ぶりに1万9,000円を割り込みました。ただ、メイ英首相がEU単一市場から撤退するものの、欧州とはなるべく摩擦のない形で貿易を維持したいとの意向を示したことなどから、過度な警戒は後退し、円高・株安は一服。米国で保護主義や反移民政策が推し進められると、投資家のリスク選好が後退する可能性も。他方、景気刺激策への期待が継続すると、上値を探る動きになることも想定されます。
◆長期金利 : 米国にらみも、レンジ内での動き
12月の米消費者物価指数(CPI)が前年同月比2.1%上昇と、2年6か月ぶりの高水準となったことや、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の利上げに前向きな発言を受け、米金利が上昇。国内の長期金利も一時0.075%まで上昇しました。トランプ政権の景気刺激策でインフレ圧力が強まるとの見方や財政が悪化するとの懸念などから、米金利は下がりにくい状況。もっとも、国内金利は日銀のイールドカーブ・コントロールの下、レンジ内での動きが継続しそうです。
◆為替 : 新米政権下で方向感を探る
トランプ政権の経済政策の不透明感や英国のEU離脱への警戒などから、ドル円は一時112円台まで下落したものの、米国の利上げ観測や次期財務長官の発言から持ち直し。次期財務長官に指名されているムニューチン氏が「強いドル」が重要だとの立場を示す一方、トランプ次期大統領はドル高をけん制するなど、新政権の為替政策は不透明な状況。米景気の拡大や米利上げ継続から、基調としてはドル高。ただ、新政権の政策運営に失望感が広がると、ドル売り・円買いが強まる可能性も。
■来週の注目点
米GDP統計(16/10-12月期、速報値) 1月27日(金)午後10時30分発表
米国の実質国内総生産(GDP)は昨年7-9月期に前期比年率3.5%増と、2年ぶりの高い伸びを記録した後、10-12月期は同2%前後へ減速する見込みです。
米国経済は昨年後半、個人消費に主導され回復基調が強まりました。ただ、7-9月期GDPの高成長に寄与した農産物の輸出大幅増は、一時的とみられます。また、昨年終盤からのドル高や金利上昇が輸出や設備投資を圧迫しつつある模様です。
今年についても、賃金増などを背景に個人消費は底堅いと見込まれることから、米景気は拡大傾向を持続する見通しです。もっとも、トランプ政権による景気刺激策の効果が顕在化するのは今年終盤以降とみられるため、GDPの伸びは緩やかなものにとどまると予想されます。
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