来週の金融市場見通し(2016年11月21日~2016年11月25日)

■来週の見通し

短期で終わるとの見方があったトランプ相場が継続しています。NYダウは15日まで4営業日連続で最高値を更新しました。また、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、「経済の堅調さが続いていることを考慮すると、追加利上げが近づいている」と述べたことも手伝い、米長期金利は2.3%程度まで上昇、18日にはドル円は111円に迫る動きになりました。今後は、トランプ次期政権の政策についての具体的な内容を確認していく段階。期待先行の動きが一服すれば、様子見姿勢も広がりそうです。25日から始まる米国の年末商戦も確認したいところです。

◆株価 : そろそろトランプ相場一服か

12月の米利上げ観測の強まりを背景に、ドル円が110円台まで上昇したことを好感し、18日には日経平均株価は一時1月以来の1万8,000円台をつけました。内外の金融市場はトランプ氏の経済政策などを期待先行で大方織り込んできている格好で、そろそろトランプ相場一服となる可能性も。ただ、国内企業の下期の想定為替レートはドル円で102円程度とみられ、業績上振れ期待は下支え材料。トランプ氏の言動や為替をにらみながら、もみ合う展開となりそうです。

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◆長期金利 : ゼロ%付近でのもみ合い

日銀は17日に初めて、固定金利で無制限に国債を買い入れる指し値オペ(公開市場操作)を実施しました。指値は2年債利回りでマイナス0.09%、5年債利回りでマイナス0.04%。長期金利は対象ではなかったものの、イールドカーブの上昇を抑制する姿勢が示されたことから、低位での推移が見込まれます。ただ、長期金利や超長期債利回りの水準についてはあいまいなまま。18日には一時0.04%まで上昇しましたが、とりあえず16日の0.035%が上限の目安になりそうです。

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◆為替 : ドル高地合いも上値は限定的か

ドル円は10日以降、急激なドル高・円安が進行しています。米金利の上昇による日米金利差の拡大も手伝い、7月高値の107円49銭をあっさり抜き、18日にはイエレンFRB議長が、早期の利上げを示唆したことを受け、110円後半まで上昇しました。市場が織り込む12月利上げ確率は90%を超えてきており、12月の米利上げはほぼ織り込んでいる状況。トランプ氏の言動や米金利にらみですが、一段の上昇は限定的になることも想定されます。

※予想レンジについては、現在見直し中につき表記しておりません。

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来週の注目点

消費者物価指数(10月全国) 11月25日(金)午前8時30分発表

全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は、9月まで3か月連続で前年比マイナス0.5%となった後、10月は同マイナス0.4%が見込まれます。

原油安のほか、円高の進行、消費の低迷などもあり、インフレ圧力は一旦大きく後退しました。今後は、原油安効果が和らぐにつれマイナス幅の緩やかな縮小が見込まれますが、日銀が目標とする2%のインフレ目標には程遠い状況が続くでしょう。

そうした中、日銀は9月に金融政策の枠組みを修正し、事実上、インフレ目標達成には長期戦で臨む姿勢が示されました。また、インフレ率の低下を主因に実質賃金が増加に転じるなど、物価下落のプラス効果も無視できません。

よって、コアCPIがマイナスで推移しても、大幅な円高・株安とならない限り、日銀の追加緩和は、当分の間、見送られると予想されます。

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