来週の金融市場見通し(2016年9月26日~2016年9月30日)

■来週の見通し

注目の日米の金融政策会合が終了しました。日銀は9月21日、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の導入を決め、金融市場調節の操作目標を量(マネタリーベース)から金利(長短金利)に変更しました。短期金利をマイナス圏で低位に維持するとともに、長期金利(新発10年物国債利回り)については、現状のゼロ%程度で推移するように国債を買い入れる方針です。しばらくは日銀の金融政策運営を確認しながら、居所や方向感を探ることになりそうです。他方、米金融当局は利上げを見送るとともに、政策金利見通しを引き下げました。米国については、12月の利上げが焦点になりそうです。

◆株価 : 上値を探る

国内株は、日銀がマイナス金利を深堀りしなかったことや、ドル高・円安に振れたことから、大幅上昇で反応しました。ただ、日銀の金融緩和が物足りないとの見方からドル安・円高に転じたことや、利益確定売りが強まったことからやや売りに押される展開になりました。来週は、日米の金融政策の不透明感が和らいだことから、底堅い動きが見込まれます。消費者信頼感指数や耐久財受注などの米経済指標や為替の動きをにらみながら、上値を探る展開となりそうです。

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◆長期金利 : レンジでの動き

日銀は、金融調節の操作目標をマネタリーベースから長短金利に変更しました。短期金利は、金融機関が日銀に預ける日銀当座預金の一部に適用するマイナス0.1%、長期金利はゼロ%が目安になります。長期金利が上昇し、ゼロ%に近づくと日銀の国債買入れが意識されることから、押し目買いが強まる一方、ゼロ%を大幅に下回ると、日銀の国債買入れが期待できないため、長期金利の低下は限定的になりそうです。当面、長期金利はゼロ%を若干下回る水準で推移するとみられます。

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◆為替 : 一進一退

日銀のマイナス金利深堀りはなかったものの、先行きの金融緩和への前向きな姿勢が示されたとの見方などから、ドル円は一時102円半ばまで上昇しました。その後は、再び100円台まで下落する動きに。米利上げは見送られましたが、声明文では“政策金利の引き上げの根拠が強まった”と、12月の米利上げの可能性は残ります。また、一段の円高進行では、当局者から円高をけん制する発言も出てきそうです。ただ、日銀が金融緩和を縮小するとの見方が広がることには注意が必要です。

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来週の注目点

鉱工業生産指数(8月) 9月30日(金)午前8時50分発表

日本の鉱工業生産指数は7月に96.9となり、前月比横ばいにとどまりました。8月については、前月比で上昇が見込まれます。

7月には、出荷が増えた一方、在庫の減少が示されました。こうした在庫調整の進捗を背景に、8月以降の生産は、底堅い動きが予想されます。特に、家計向け耐久消費財に関し、生産回復の動きが見られます。

7-9月期の鉱工業生産についても、前期比で増加する見通しです。これらより、日本の景気は緩やかながらも回復基調にあると判断されます。そのため、追加的な金融緩和など、さらなる景気刺激策の緊急性は高くないと言えます。

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