来週の金融市場見通し(2016年8月29日~2016年9月2日)
■来週の見通し
前回、米国で利上げに前向きな発言が相次いだのは、5月。このときは6月3日発表の米雇用統計で雇用者数の伸びが大幅に鈍化したことから、利上げ観測が急速に後退しました。今回も、米金融当局者から早期利上げに前向きな発言が相ぐ中、フィッシャー米連邦準備制度理事会(FRB)副議長も、雇用および物価が目標に近づいているとの認識を示しました。8月26日のイエレン議長の講演で、利上げに前向きな姿勢が示され、9月2日の米雇用統計で、堅調な雇用情勢が確認されると、一気に早期利上げを織り込む動きになる可能性があります。イエレン議長の講演の後は、米雇用統計待ちとなりそうです。
◆株価 : 米金融政策にらみ
内外の金融市場が米金融政策を見極めようとする中、国内株は方向感なく一進一退の動きが継続しています。注目のイエレン議長の講演の後は、米雇用統計発表が控えます。米国で早期利上げ観測が強まると、米株安・ドル高となる可能性があります。振れ幅にもよりますが、ドル高は国内株にプラスも、米株安は重しになりそうです。ただ、週末に米雇用統計発表を控えることから、徐々に様子見姿勢も強まりそうです。引き続き、日銀による上場投資信託(ETF)買入れは安心材料です。
◆長期金利 : 一進一退
長期金利はマイナス0.1%前後での方向感のない動きになっています。米国で早期利上げ観測が強まると、若干ながらも国内の長期金利についても上昇圧力がかかる可能性があります。もっとも、7月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は5か月連続のマイナスで、長期金利は上昇しにくい状況。また、9月20、21日の会合で取りまとめられる日銀による金融政策の総括的な検証を待っている状況で、方向感は出にくそうです。10年国債入札も確認したいところです。
◆為替 : 米雇用統計待ち
ドル円は米国の利上げ観測に振らされそうです。イエレンFRB議長が利上げ時期に言及しないまでも、米経済の先行きに対する楽観的な見方や利上げに前向きな姿勢が示されると、一気に早期利上げを織り込む動きになる可能性があります。もっとも、米雇用統計が予想を下回ると、利上げ観測が急速に後退する可能性も。逆に、米雇用統計が良好なら、一段のドル高・円安が進行する可能性があります。イエレン議長の講演の後は、週末の米雇用統計を確認することになります。
■来週の注目点
米雇用統計(8月) 9月2日(金)午後9時30分発表
米国の非農業部門雇用者数は、6月に前月比29.2万人増、7月に同25.5万人増と、2か月続けて大幅な増加を示しました。
8月については、好調の目安とされる20万人増を下回る見込みです。ただ、3か月の平均では20万人超の増加を示す可能性が高いでしょう。
また、8月の失業率は7月と同じ4.9%が見込まれます。インフレ動向をみる上で重要な平均賃金についても、緩やかな増加となりそうです。
とはいえ、国内総生産(GDP)の伸びは鈍く、また、11月には大統領選が行われます。そのため、米連邦準備制度理事会(FRB)は今月、利上げを見送る可能性が高いとみられます。
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