来週の金融市場見通し(2016年4月11日~2016年4月15日)
■来週の見通し
4月に入りドル売り・円買いが一段と強まり、ドル円は一時107円70銭前後と、約1年半ぶりの水準まで下落しました。企業の16年度の想定為替レートは117円46銭と大きくかい離しており、業績懸念から株価が下落し、リスク回避から円高になるといった負のスパイラルになることには注意が必要です。12日に国際通貨基金(IMF)が発表する世界経済見通しでは、16年の世界の成長率予想の下方修正が見込まれます。また、中国では、貿易収支、1-3月期の国内総生産(GDP)が、米国では小売売上高などが発表されます。米中の景気先行き懸念が後退すると、リスクオフ(回避)も弱まりそうです。
◆株価 : 為替にらみ
ドル円の急落を受け、日経平均株価は一時1万5,500円を割り込みました。もっとも、ドル円の下落が一服したことなどから、その後は持ち直しの動きに。来週は米企業の1-3月期の決算発表が本格化します。減益が見込まれますが、その主因である原油安やドル高は一服してきていることから、悲観が強まる懸念は小さいとみられます。予想より堅調な業績となると、安心感が広がる可能性も。ただ、国内企業の業績は円高が重し。為替にらみが続きます。
◆長期金利 : 一進一退
長期金利はマイナス0.085%~マイナス0.06%と狭いレンジでの動きになっています。急激な円高・株安にも関わらず、債券買いはさほど強まらなかったことから、ひとまずマイナス0.10%~マイナス0.05%が居心地のいい水準と言えそうです。もっとも、米国で早期利上げ観測が高まる、また日銀の追加緩和への期待が強まる場面では、上振れ、下振れの可能性が残ります。利回りがプラス圏にある超長期債を選好する動きが続く限りは、長期金利は低位での推移が続きそうです。
◆為替 : 底打ちを探る
米金融当局が利上げを慎重に進めていくとの見方からドル買い圧力が弱まりました。加えて、安倍首相が恣意的な為替介入は慎まなければならないと発言したことを受け、為替介入への警戒が後退したことなどを背景に、ドル円は一時107円70銭前後まで下落しました。もっとも、為替の急激な動きに対しては、為替介入の可能性もあります。また、日米の金融政策の方向性は緩やかながらもドル高・円安地合い。不安定な動きの中、方向感を探ることになりそうです。
■来週の注目点
中国GDP統計(16/1-3月期) 4月15日(金)午前11時発表
中国の実質国内総生産(GDP)成長率は昨年10-12期に前年比6.8%となった後、今年1-3月期は同6.7%程度へ、やや減速する見通しです。
3月の全国人民代表大会(全人代)では、今年の実質GDP成長率目標を6.5~7%とする旨が決まりました(昨年の目標は7%前後、実績は6.9%)。今年の成長率は、この目標に沿った水準で推移する可能性が高いでしょう。
中国政府は、金融緩和や財政出動などを用いて景気を支える意向とみられます。実際、3月の購買担当者景気指数(PMI)が製造業、非製造業とも改善するなど、景気刺激策の効果が表れつつある模様です。そのため、中国経済に対する過度な悲観は、徐々に和らいでいくものと見込まれます。
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