来週の金融市場見通し(2016年3月28日~2016年4月1日)

■来週の見通し

米国では、利上げに慎重なハト派と見られていたシカゴ連銀のエバンス総裁が、「今年はあと2回の利上げがあると見込んでいる」と述べるなど、金融当局者から利上げに前向きな発言が増えてきています。来週も、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長、ダラス連銀総裁の講演、米雇用統計などを確認しながら、今後の利上げを占うことになります。また、4月1日には、日銀の企業短期経済観測調査(短観)、中国の製造業購買担当者指数(PMI)、米供給管理協会(ISM)製造業総合景況指数の発表が予定されています。日米中の景況感も確認したいところです。

◆株価 : 気の抜けない相場

国内株は為替動向を睨んで一進一退の動きが続いています。米金融当局者からの利上げに前向きな発言などを受け、ドル円が強含んでいることは国内株の支えになりそうです。もっとも、米利上げ観測が強まりドル円が上昇すると、国内株を押し上げそうですが、米株が軟調な動きになった場合には、国内株の上値を抑えることも想定されます。日米中で重要な指標の発表が予定されていることから、気の抜けない相場となりそうです。

株0325

◆長期金利 : マイナス圏で居所を探る

長期金利はマイナス0.1%を挟んだ過去最低水準でのもみ合いが続いています。ただ、一時0.3%前半まで低下した20年債利回りは0.4%付近に、また0.4%前半まで低下した30年債利回りは0.5%前後に押し戻される動きとなり、低下し過ぎへの警戒感も根強そうです。日銀の追加緩和への期待はくすぶるものの、マイナス金利の弊害も懸念されることから、マイナス幅の拡大も限定的になることが見込まれます。不安定な相場への警戒が強まると、長期金利はやや上昇する場面もありそうです。

債0325

◆為替 : ドル高地合い

FRBは政策金利見通しを引き下げたものの、米金融当局者から利上げに前向きな発言が増えており、ドル円は下落しにくくなってきています。来週は、イエレン議長など米金融当局者の発言や米経済指標から利上げのペースを占うことになります。週末には米雇用統計の発表が予定されており、徐々に様子見姿勢も強まりそうです。日米中の景況感改善でリスクオン(選好)が強まると、一段高となる可能性もありそうです。

円0325

来週の注目点

日銀短観(3月調査) 4月1日(金)午前8時50分発表

日銀短観(全国企業短期経済観測調査、四半期毎に発表)の業況判断指数(DI)は今回、幅広い企業規模・業種で昨年12月調査に比べ悪化が見込まれます。

12月調査では、先行きのDIに関し大きめの悪化が見込まれていました。年明けも国内外の景気減速懸念が広がっている上、金融市場では株安・円高が進みました。

それらが業況判断を圧迫するとみられ、これまで堅調だった設備投資計画についても、企業業績の下振れ懸念を背景に慎重姿勢が示される可能性が高いでしょう。

業況判断や設備投資計画が大きく悪化した場合、日銀による追加緩和のほか、財政政策(消費税再増税の延期や公共事業など)への期待が高まりそうです。

辻0325

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