来週の金融市場見通し(2016年3月14日~2016年3月18日)
■来週の見通し
注目された10日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、主要3金利の引き下げに加え、資産買入れ額も大幅に拡大するなど、市場予想を上回る緩和策が打ち出されました。会合後にドラギ総裁が、「追加利下げが必要になるとは予想していない」と述べ、追加利下げ観測が後退してしまいましたが、大規模な包括的な金融緩和策は金融市場を支えそうです。来週は、14、15日に日銀政策決定会合、15、16日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれます。現状維持がコンセンサスですが、日銀は追加緩和、FOMCでは年内の利上げに関して示唆される可能性があります。金融政策睨みの相場が続きそうです。
◆株価 :: 一進一退の中、戻りを探る
利益確定売りや、中国経済の先行き不透明感が強まったことなどから下落したものの、25日移動平均線を割り込まず1万6,500円弱で踏みとどまり、週末には1万6,900円台を回復しました。ECBの追加緩和策はまだ消化不良の状況ですが、大幅な緩和策は日本株にとってもプラス。他方、米FOMCで米利上げ観測が強まると、米株の重しになるものの、ドル高・円安に振れると、日本株の支えになる可能性も。3月4日の高値1万7,042円を上回ると、戻りを試す動きに。
◆長期金利 : 0%付近で居所を探る
ECBは政策金利を引き下げたものの、ドラギ総裁の発言で利下げ打ち止めとの観測が広がり、マイナス金利の拡大は日本でも難しいとの見方が強まる可能性があります。日本の短期金融市場でもマイナス金利拡大の織り込みがやや後退してきており、期間の長い債券の利回り低下も抑制される可能性があります。実際、11日の長期金利は久しぶりに一時プラス圏に浮上しました。ただ、マイナス金利の拡大には限界があるものの、日銀の追加緩和観測は根強く、長期金利の上昇も限定的とみられます。
◆為替 : 日米の金融政策睨み
ドラギ総裁の発言で、ユーロ圏の利下げ打ち止めとの観測が広がったことから、ユーロ売り・ドル買いが進まず、対円でもドルは鈍い動きになりました。マイナス金利の拡大には限界があるとの見方が広がっていますが、日銀が早晩追加緩和に踏み切るとの見方は変わっておらず、円高は限定的。ECBの追加緩和が見直されると、投資家心理が改善し、逃避通貨である円が弱含む可能性も。また、米FOMCで年内の米利上げ観測が強まると、ドル買い・円売りが強まりそうです。
■来週の注目点
米連邦公開市場委員会(FOMC) 3月17日(木)未明に発表
米連邦準備制度理事会(FRB)は今回、政策金利を据え置きとする可能性が高いと予想されます。
前回(1月)のFOMCでは慎重な景気判断が示されたものの、3月の利上げの可能性は否定されませんでした。しかしその後、金融市場が不安定化したほか、米国の景気後退懸念が高まったことから、3月の利上げを見込む向きは多くありません。
とはいえ、2月の雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比24.2万人増となるなど直近の経済指標は底堅く、景気が後退する可能性は低いとみられます。そのためFRBは今回、利上げを見送りつつも、近い将来の利上げを示唆するものと見込まれます。
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