来週の金融市場見通し(2016年1月11日~2016年1月15日)
■来週の見通し
2016年の内外金融市場は、中国不安が再燃したことに加え、サウジアラビアがイランとの国交を断絶するなど中東情勢の混迷や、北朝鮮による核実験の実施を受け、波乱の幕開けとなりました。国内株は5営業日続落。1970年以降、日経平均株価で年初から5営業日続落は今年のみ。TOPIXについては、1990年のバブル崩壊時にさかのぼります。その前は1950年。来週は、中国株、人民元の動きや、米雇用統計を受けた米利上げペースをめぐる思わくなどに振らされながら、戻りを探ることになりそうです。
◆株価 : 底打ちを探る
中東、北朝鮮の地政学リスクや、中国不安を背景に、日経平均株価は一時1万7,509円まで下落しました。8日には中国株が、政府系ファンドによる買い支えやサーキットブレーカー制度の停止などを受け、一旦落ち着きを取り戻しましたが、中国株や経済などへの警戒は根強く、国内株は年初から5営業日続落となりました。東証一部の騰落レシオは62.9と売られ過ぎの70を大きく下回り、昨年9月の64.5を下回る水準。中国株などを確認しながら、底打ちを探る動きとなりそうです。
◆長期金利 : 一進一退
日銀が買入対象となる長期国債の年限を長期化したことを受け、20年債や30年債などの超長期国債を中心に、じりじりと利回りが低下してきています。投資家のリスク回避姿勢が強まったことも手伝い、長期国債についても8日には0.23%前後まで低下しました。昨年1月に付けた過去最低の0.195%に近づいてきており、一段の低下には警戒感も強まりそうです。また、米雇用統計で、米国の早期利上げ観測が高まると、上振れする可能性があります。
◆為替 : 方向感を探る
ドル円は、利上げ前に膨らんでいたドル買いのポジションを調整する動きなどから、やや下落気味となっていたところに、中国不安や地政学リスクが加わり、昨年末の120円台前半から、一時117円台前半まで下落しました。ただ、8日には人民元の下落一服などから、118円台に戻る動きになりました。米雇用統計で、早期の利上げ観測が強まれば、120円前後に戻る可能性も。他方、中国不安が長引くと、逃避通貨である円が強含み、ドル円の上値を抑えることも想定されます。
■来週の注目点
米小売売上高(12月) 1月15日(金)午後10時30分発表
米国では年末商戦(11月後半~12月)中の売上が年間売上の約3割を占めるため、景気動向をみる上で、12月の小売売上高は特に重要です。米国の小売売上高は10月に前月比0.1%増、11月に同0.2%増となった後、12月も小幅な増加が見込まれます。
個人消費は底堅く推移している模様です。中でも自動車販売はガソリン安が追い風となり昨年1,750万台と、2000年の1,740万台を超え過去最高を記録しました。
ただ、自動車販売の増加は、金融危機時に買い控えられた反動の面があります。また、賃金の伸びが鈍い中、米国の家計が慎重化しつつある様子もみられます。そのため今回の小売売上高などにより、消費の基調を注意深く点検する必要があります。
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