来週の金融市場見通し(2015年12月28日~2016年1月8日)

■来週の見通し

今年も残りわずか。昨年末の日経平均株価は1万7,450円、長期金利は0.33%、ドル円は119円半ばでした。日銀の異次元緩和が継続する中、12月25日時点では、それぞれ1万8,769円、0.28%、120円台前半で、このままいけば、株高、債券高、円安で終わりそうです。今年は、欧州中央銀行(ECB)が国債購入を開始。米連邦準備制度理事会(FRB)は9年半ぶりの利上げに踏み切りました。今後は、米利上げの影響に加え、次の米利上げはいつか(3月なら年4回、4月なら年3回、6月なら年2回の利上げペース)、日銀が追加緩和に動くかなどが注目されそうです。

◆株価 : 掉尾の一振を期待

クリスマス・ラリーから米株は堅調な動きとなっているものの、国内株はさえない動き。米利上げ前には123円前後にあったドル円が、120円台前半まで下落していることが、国内株の足を引っ張っているとみられます。もっとも、原油価格が下げ止まってきており、米株が一段高になると、買い安心感が広がりそうです。年末にかけ上昇する“掉尾の一振(とうびのいっしん)”への期待もくすぶりますが、しばらくはドル円、米株睨みの状況が続きそうです。

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◆長期金利  低位のレンジ継続

日銀が長期国債買入れの平均残存期間を長期化したこと、来年度の国債発行額が減額されることに加え、原油安から低インフレが長引くとの見方が広がっており、長期金利の水準は、これまでの0.3%付近から0.2%後半へと低下しています。米長期金利の落ち着きも、国内の長期金利の上昇の抑制要因です。もっとも、0.2%半ばに近づくと、低下し過ぎへの警戒感も強まりそうです。長期金利は、上昇余地、低下余地を探りながらの、0.2%後半を中心とした低位での動きが続きそうです。

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◆為替 : 方向感を探る

米利上げが緩やかなペースになると見込まれることや、利上げ前に膨らんでいたドル買いのポジションを調整する動きなどから、ドル円は120円台前半まで下落しています。米金利が落ち着いた動きになっていることも、ドルの上値を抑えている格好です。日銀の追加緩和への期待もやや後退し、円売りも強まっていません。日米の金融政策の方向性の違いからドル高・円安地合いも、ドル買いのポジション解消が一服し、次回の米利上げを織り込むまでは、方向感は出にくそうです。

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来週の注目点

鉱工業生産指数(11月) 12月28日(月)午前8時50分発表

日本の鉱工業生産指数は10月に98.8となり、前月比では1.4%上昇と、2か月連続の上昇となりました。11月は小幅な低下が予想されるものの、経済産業省による基調判断は「生産は一進一退で推移している」で据え置かれるものと見込まれます。

輸出や消費が伸び悩む中、鉱工業生産の力強い回復は当面、期待しにくい情勢です。他方、在庫調整が進捗しつつあることや、設備投資計画が堅調であることから、生産が大きく落ち込む可能性は低いでしょう。

なお、四半期ベースの鉱工業生産指数は、7-9月期に前期比1.2%低下となった後、10-12月期は小幅ながらも上昇に転じる見通しです。

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