来週の金融市場見通し(2015年12月14日~12月18日)
■来週の見通し
12月に入り、欧州中央銀行(ECB)の追加緩和への失望や原油安を背景に、内外の投資家心理が悪化し、株式市場は軟調な動きになっています。12月15日-16日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)待ちから、積極的な買いが手控えられたのも重し。市場では、FOMCでの利上げ開始はほぼ確実視されており、その後の利上げのペースが注目されます。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が緩やかな利上げを強調するとともに、あわせて公表されるFOMCの政策金利見通しが引き下げられると、安心感が広がりそうです。
◆株価 : 不透明感後退で下旬堅調となるか
軟調な欧米株の動きや円高を嫌気し、日経平均株価は下落も、1万9,000円は割れなかったことから、ひとまず1万9,000円は押し目買いの水準となりそうです。昨年、一昨年の12月は、上旬軟調、下旬堅調な動きになりました。今年もこれまでのところ軟調な動きになっていますが、FOMCで米金融政策をめぐる不透明感が払しょくされるとともに、ドル高・円安が進行すると、買い安心感が広がりそうです。ただ、利上げ開始後の道筋がどう示されるかで、市場の反応が異なりそうです。
◆長期金利 : 米利上げも、もみ合い継続
米国では来週のFOMCで利上げ開始が決定される可能性が高く、米国の金利には上昇圧力がかかる可能性がありますが、国内金利への影響は限定的と見られます。米国の債券市場も利上げ開始をある程度織り込んできていることから、米長期金利の急騰は避けられるとみられます。原油価格が再び下落基調となっており、低インフレが長期化するとの観測が広がっています。来年度の国債発行額が減額されるとの見方も、国内債券市場を支え、長期金利は低位での動きが継続しそうです。
◆為替 : 利上げペースを確認
原油安や新興国経済への警戒から、逃避通貨とされる円が買われ、123円を挟んでもみ合っていたドル円は、一時121円8銭程度まで下落しました。もっとも、121円台では押し目買いも強く、122円前後に戻される動きに。来週の注目は米金融政策。米利上げ開始となればドル高・円安地合いに。もっとも、緩やかな利上げペースとなることが示されると、ドル高・円安の動きが鈍くなる可能性があります。また、材料出尽くしとして一時的にドル売りが強まることには注意が必要です。
■来週の注目点
米連邦公開市場委員会(FOMC) 12月17日(木)未明に発表
米連邦準備制度理事会(FRB)は今回、2006年6月以来の利上げ(政策金利の引上げ)を行う可能性が高いとみられます。
FRBが政策方針を決める上で重視している雇用統計では、非農業部門雇用者数が10月に前月比29.8万人増となった後、11月も同21.1万人増と、持続的な雇用改善に必要とされる20万人を上回る増加を記録しました。
これらを受け、すでに金融市場では今回の利上げをかなりの程度、織り込んでいます。そのため、利上げが決まったとしても金融市場の反応は限定的なものにとどまりそうです。ただ、市場の関心が来年の利上げペースに移りつつある中、それに関する声明文の文言やFRB議長の発言には要注意です。
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