来週の金融市場見通し(2015年11月23日~11月27日)

2015/11/20

■来週の見通し

日銀金融政策決定会合、米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録公表といった注目のイベントが終了し、来週はやや手掛かりに欠ける中、方向感を探る動きになりそうです。米国では、感謝祭の翌日のブラックフライデー(27日)から年末商戦が始まります。全米小売業協会(NRF)によると、11~12月期の小売売上高(自動車・ガソリン・外食を除く)は、前年比3.7%増で、昨年(4.1%増)には届かないものの、過去10年の平均(2.5%増)を上回る見通しです。もっとも、暖冬などの影響で伸び悩むとの見方も出ており、下振れなら米株が弱含む可能性もあり注意が必要です。

◆株価 : 2万円乗せを窺う

パリの同時テロ発生に加え、日本の7~9月期国内総生産(GDP)が2期連続でマイナスとなったにも関わらず、国内株の下落は限定的。米利上げ観測を背景にしたドル高・円安を手掛かりに、日経平均株価は一時1万9,900円半ばまで上昇しました。もっとも、ドル高の動きがやや鈍くなっていることから、国内株の上値が重くなる可能性があります。また、一本調子で上昇してきていることから、日経平均株価が2万円に近づくと、利益確定売りに押される場面もありそうです。

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◆長期金利  0.3%前半中心のもみ合い

日銀が追加緩和を見送ったものの、債券市場は反応薄で、良好な需給を背景に長期金利は一時0.295%まで低下しました。米国では12月の利上げの可能性が高まっていますが、米長期金利は2.2%台での落ち着いた動きになっており、米金利に連動しやすい国内金利も方向感に欠ける展開となりそうです。0.3%割れなら低下し過ぎで売りが、また0.3%半ばまで上昇なら押し目買いが強まるとみられ、0.3%前半中心のレンジでの動きとなりそうです。

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◆為替 : 円安地合いも動きは鈍そう

パリの同時テロを受け、リスク回避から円買いが一時強まったものの、米利上げ開始が一段と強まり、ドル買い・円売りが優勢に。もっとも、米利上げ開始でも緩やかなペースとなることが徐々に織り込まれてきており、ドル高・円安地合いも、動きは鈍そうです。12月には、欧州中央銀行(ECB)理事会(3日)、米連邦公開市場委員会(FOMC、15-16日)が予定されています。金融政策が変更される可能性が高く、結果を確認するまでは、方向感は出にくそうです。

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来週の注目点

家計調査(10月) 11月27日(金)午前8時50分発表

家計調査による実質消費支出は9月に前年比0.4%減となった後、10月については、好天候などを背景に小幅な増加が見込まれます。

ただ、消費税増税の影響が長期化しているほか、円安などによる食品高もあり、家計の節約志向は定着しつつある模様です。国内総生産(GDP)において個人消費は4-6月期に前期比0.6%減となった後、7-9月期は同0.5%増に転じたものの、弱めの回復にとどまっています。

今後の鍵を握るのは所得動向ですが、冬の一人あたり賞与が民間企業全体で前年比減少が見込まれるなど、賃金の大幅な伸びは期待しにくい情勢です。そのため当分、個人消費が景気拡大を力強くけん引するには至らないと予想されます。

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