来週の金融市場見通し(2022年3月14日~2022年3月18日)
■来週の見通し
2月の米消費者物価指数(CPI)は約40年ぶりの伸びを記録しました。商品市況が高騰する中、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.25%の利上げが確実視されています。利上げペースやインフレの見通し、またパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言などで、今後の政策運営を占うことになります。他方、ウクライナ情勢については停戦協議に進展がなく、危機の長期化が懸念されます。米金融政策をめぐる不透明感はやや後退する可能性がありますが、ウクライナ情勢は引き続き波乱要因です。
◆株価 :やや軟調な展開か
日本株は、やや軟調な展開が予想されます。現在、ロシアとウクライナの停戦協議では大きな進展がみられず、紛争が長期化する可能性が高まっています。それに伴う資源高などが世界経済の重しとなるとの観測が、市場のムードを圧迫しそうです。ただ、日経平均株価は2週間で約5%下落しており、割安感が強まっています。そうした中、米FOMCで今後の利上げに慎重な姿勢が示された場合、日本株が押し上げられる可能性もあります。
◆長期金利 :一段の上昇は限定的
来週の米FOMCでは利上げ開始が決定されると見込まれますが、政策金利見通しやパウエルFRB議長の発言で、より積極的な金融引締めが意識されると、米金利とともに国内金利にも上昇圧力が強まる可能性があります。とはいえ、日銀が許容する長期金利の上限は0.25%で、一段と上昇する場面では、投資家の押し目買いが強まることも想定されます。ウクライナ情勢への警戒もあり、長期金利の一段の上昇は限定的とみられます。
◆為替 : 上昇圧力強い
ドル円は、上昇圧力の強い地合いが継続するとみられます。米国のインフレ高進を受け、米長期金利が2.0%程度まで上昇する中、来週のFOMCに注目が集まっています。利上げは確実とみられ、市場は多くを織り込んでいると想定されますが、足元、ドル円の上昇圧力となりそうです。ただ、ウクライナ情勢は予断を許さない状況が続いており、リスク回避の動きが優勢になると逃避通貨とされる円買いが進み、ドル円の上値を抑えそうです。
◆Jリート :底堅いものの方向感は出にくいか
ウクライナ情勢への警戒から、東証REIT指数は週央まで5日続落したものの、その後は持ち直しました。2月の東京都心のオフィス空室率は4か月ぶりに上昇しましたが、昨年10月のピーク時より低い水準で、オフィス市況の悪化に一服感が出てきていること、また、予想分配金利回りが3%台後半と、相対的に高い水準にあることは下支え材料です。とはいえ、ウクライナ情勢の出口が見えるまでは不安定な動きが続く可能性があります。
■来週の注目点
機械受注(1月) 3月17日(木)午前8時50分発表
機械受注統計によると、設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額は、昨年12月に前月比3.6%増の9,324億円となりました。このうち、製造業は同8.0%増、非製造業は同0.1%減となりました。また、昨年10-12月期は前期比6.5%増となりました。
1月の機械受注は、前月比で約3%減が見込まれます。国内における新型コロナウイルスの感染急拡大のほか、アジアなどのサプライチェーン(供給網)の混乱継続が、企業の設備投資を抑制した模様です。今後は、ウクライナ情勢をめぐる不透明感も投資の重しとなるとみられ、1-3月期の機械受注は前期比減に転じる見通しです。
米小売売上高(2月) 3月16日(水)午後9時30分発表
1月の米小売売上高は前月比3.8%増と市場予想を上回り、10か月ぶりの大幅な増加となりました。新型コロナの感染やインフレ高進が続く中でも需要が堅調だったことが示唆されました。オンラインショッピングなどの無店舗小売りだけでなく、自動車や家具など、広範な分野で売り上げが増加した模様です。
米国では、新型コロナ感染者数が減少傾向にある中、労働市場の改善が続いているものの、今後、ウクライナ情勢の緊迫化の影響は徐々に表れてくるものと見込まれます。また、1月の大幅増の反動もあり、2月の米小売売上高は前月比0.4%増程度を想定しています。
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