来週の金融市場見通し(2020年12月7日~2020年12月11日)
■来週の見通し
新型コロナウイルスに関連した米追加経済対策案について、共和党のマコネル上院院内総務が妥協が近いと示唆するなど、共和党と民主党の協議が進展していることは安心材料です。一方、米ファイザーが今年の新型コロナワクチン出荷目標を半減したと伝わるなど、ワクチンの普及が遅れるとの懸念は重しになりそうです。米追加経済対策や新型コロナワクチンに振らされる展開が続いていますが、内外の経済指標に加え、ほぼ確実視されている欧州中央銀行(ECB)の追加緩和策も確認したいところです。
◆株価 :やや軟調か
日本株は、やや軟調な展開が予想されます。新型コロナのワクチンに対する過度な期待の後退などが、株価を圧迫する見通しです。ワクチンについては、供給の制約などのため、広範な普及には相当な時間を要する見込みです。よって、その普及前に日本などで新型コロナの感染がさらに拡大し、景気が落ち込む恐れがありそうです。とはいえ、米国の追加経済対策への期待などを踏まえれば、日本株が大幅に下落する可能性は低いとみられます。
◆長期金利 :上昇しにくい
新型コロナワクチンの普及期待などから米長期金利が上昇したことは、国内金利の押上げ材料も、10年国債入札、30年国債入札が無難な結果になり、需給面での懸念が後退したことなどから、金利上昇は限定的でした。週末には新型コロナワクチンへの過度な期待が後退し、長期金利は低下する動きになりました。来週、ECBが追加緩和に動くと、国内金利も上昇しにくくなりそうです。5年国債入札、20年国債入札も確認したいところです。
◆為替 :下値模索
米国の株高の勢いは弱まり、米長期金利が小幅ながら低下に転じる中、為替市場ではドル安の圧力が高まっています。また、原油価格の回復傾向は米国でのインフレ期待回復につながっており、米実質金利の上昇が抑制されていることが、ドル円の下落要因として顕在化しつつあります。米製薬会社による新型コロナワクチンの年内供給量に懸念も浮上しており、米長期金利低下とともにドル円は下値を模索する展開となりそうです。
◆Jリート :上値を探る
東証REIT指数は、投資家心理の改善から1,700ポイントを上回ると利益確定売りに押され、下回ると値ごろ感からの買いも広がり、1,700ポイントを挟んだ一進一退の動きが続きました。来年1月で期限を迎えるGo Toトラベルについて、赤羽国土交通大臣が来年6月末をめどに延長する方針を明らかにしたことは安心材料です。新型コロナワクチン開発の進展、普及なども確認しながら、上値を探ることになりそうです。
■来週の注目点
景気ウォッチャー調査(11月) 12月8日(火)午後2時発表
景気ウォッチャー調査の現状判断指数(DI)は、10月に前月差5.2ポイント上昇の54.5と、6か月連続の上昇となりました。家計動向関連、企業動向関連、雇用関連のすべてのDIが上昇しました。
11月の現状判断DIは、低下する可能性が高いとみられます。11月以降、国内で新型コロナウイルスの感染が拡大しており、これに伴う「Go To」事業の一部見直しなどが、足元の景況感を圧迫している模様です。とはいえ現在、緊急事態宣言の再発令は予想されないことから、景況感の急激な悪化は当面回避される見通しです。
米消費者物価指数(11月) 12月10日(木)午後10時30分発表
10月の米国の消費者物価指数(CPI)は、総合で前年比1.2%上昇となり、また、変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは同1.6%上昇と、それぞれ市場予想を下回りました。緩やかながら物価は上昇しているものの、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、インフレは抑制されていることが示唆されました。
米国では、新型コロナの感染拡大を受け、引き続き各地で行動制限などが行われています。そのため、消費活動が抑制されており、今後も物価上昇圧力は弱まっていくとみられます。11月は総合で前年比1.1%程度の上昇、コアは同1.5%程度の上昇が見込まれます。
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