来週の金融市場見通し(2020年11月2日~2020年11月6日)
■来週の見通し
11月3日に注目の米大統領選が行われます。世論調査ではバイデン氏が優勢ですが、前回の大統領選では劣勢だったトランプ氏が勝利しただけに、決め打ちはできない状況です。早期決着ならば、市場に安心感が広がる可能性があります。もっとも、大量の郵便投票の集計に時間がかかることに加え、結果をめぐり法廷闘争に持ち込まれる可能性もあります。次期大統領が決まるまでは動きにくい状況が続きそうです。あわせて行われる米議会選挙、新型コロナウイルスの感染動向や米雇用統計なども確認したいところです。
◆株価 :振れ幅拡大
日本株は、振れ幅が拡大する展開が予想されます。米大統領選ではバイデン氏が優勢とみられるものの、トランプ氏が勝利する可能性も残っています。また、開票・集計作業が長引く事態も想定されます。そのため、結果が確定するまでは様々な思わくが交錯するとみられ、国内外の株価は上下に不規則に変動する展開となりそうです。また、世界的な新型コロナの感染拡大や活動制限も、日本株の不安定要因となる見込みです。
◆長期金利 :不安定ながらもレンジ継続
欧米の新型コロナの感染拡大を受け、世界経済の先行き不透明感が広がったことや、米追加経済対策の早期実現観測が後退したことなどから、長期金利はじりじりと低下する展開になりました。週末は米経済指標の改善を受け、若干上昇。日銀金融政策決定会合は現状維持で影響薄でした。米大統領選で米政治が混乱すると、リスク回避から国債が買われ、内外の金利が低下することも想定されます。4日の10年国債入札も確認したいところです。
◆為替 :波乱含み
米大統領選前の追加経済対策法案の成立の可能性が事実上なくなったことで、米長期金利が低下しており、ドル円は弱含みで推移しています。来週は米大統領選本番を迎え波乱含みですが、バイデン氏が大差で勝利した場合、地合いに大きな変化はないとみられるものの、バイデン氏が勝利しても、トランプ大統領が異議を申し立て、米政治が混乱した場合は、リスク回避のため決済通貨であるドル買いが優勢となる可能性があります。
◆Jリート :押し目を探る
翌週に米大統領選を控え、積極的な買いが出にくい中、欧州では新型コロナの感染拡大が止まらず、行動制限が一段と強化されたことから、景気の下押し懸念が広がり、Jリート市場は売りに押される展開になりました。米大統領選が早期に決着すると投資家心理が改善することも想定されますが、投票の集計が長引く等、次期大統領がなかなか決まらない可能性があります。不安定な動きの中、押し目を探ることになりそうです。
■来週の注目点
家計調査(9月) 11月6日(金)午前8時30分発表
家計調査によると、実質消費支出(二人以上の世帯)は8月に前年比6.9%減と11か月連続で減少しました。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、帰省などの自粛に伴う旅行関連支出の減少が特に顕著となりました。
9月の消費支出についても減少が見込まれます。昨年9月は消費税増税前の駆け込み需要で支出が押し上げられたため、それと比較した今年9月の支出は大幅減となる可能性が高そうです。新型コロナウイルスの感染継続や所得の低迷を踏まえると、10月以降についても、消費の回復は緩慢なものにとどまる見通しです。
米雇用統計(10月) 11月6日(金)午後10時30分発表
9月の米雇用統計において、非農業部門就業者数は前月比66万1,000人増と市場予想を下回り、失業率は7.9%と前月より低下しました。失業率の低下は職探しを断念した人が増加したことによる労働市場参加率の低下が主因です。また、就業者数の伸びは減速しており、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、景気回復が鈍化しつつあることが示唆されました。
追加経済対策の成立が遅れると景気回復鈍化の可能性が高まります。10月の非農業部門就業者数は前月比61万人増程度、失業率は7.7%程度となる見通しです。
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