来週の金融市場見通し(2020年10月12日~2020年10月16日)

■来週の見通し

米大統領選をめぐる市場の見方が、法人税増税などを掲げるバイデン氏が勝利した場合には、株式市場などに悪影響を与えるとの懸念から、大規模な経済対策が打ち出され景気が押し上げられるとの期待に変わってきています。他方、米追加経済対策については、まだトランプ政権とペロシ下院議長の間で協議が続いています。来週は内外の経済指標、米追加経済対策をめぐる協議、第2回目の米大統領候補テレビ討論会の有無などに加え、ファーストリテイリングの決算、大手米銀の決算なども確認したいところです。

◆株価 :底堅い展開か

日本株は、底堅い展開が予想されます。新型コロナウイルスの感染拡大にもかかわらず、国内では当面、大規模な活動制限が再導入される可能性は低いことが、株価を支える見通しです。また、米大統領選についてはバイデン氏優勢とみられますが、金融市場では、同氏のポジティブな面(インフラ投資など)が着目されつつあります。ただ、米国の大統領選や追加経済対策をめぐる不透明感は依然大きいため、日本株の上値余地は限られそうです。

◆長期金利 :低位もみ合い

新型コロナウイルスに感染したトランプ米大統領が退院すると伝わったことを受け、米政治の不透明感が後退し、米長期金利が上昇。国内の長期金利も0.035%まで上昇しました。ただ、30年国債入札は無難な結果、5年国債入札は良好な結果となり、金利上昇は限定的でした。引き続き、米金利や株価の動きをにらみながら、低位でもみ合う展開が続きそうです。黒田日銀総裁の国際金融協会(IIF)総会での発言も確認したいところです。

◆為替 : 下値は限定的

トランプ米大統領の指示により、一旦停止するかに見えた米追加経済対策協議は航空会社支援法案についての議論を契機に包括的な対策での合意の可能性も残り、リスクセンチメントは大きく悪化していません。ドル円は日米株価の動きをにらみながら方向感を探る展開になるとみられますが、上昇している米長期金利に支えられ、下値は限定的と思われます。引き続き米大統領候補者討論会や米追加経済対策協議の行方に注目です。

◆Jリート :押し目を探る

Go To トラベルで観光事業が持ち直すとの期待などから、東証REIT指数は一時1,760ポイントを上回りました。その後は利益確定売りに加え、9月の東京都心のオフィス空室率の上昇、賃料の下落を警戒し、軟調な動きになりました。ただ、空室率は3.43%とまだ低い水準です。オフィス市況の軟化は続きそうですが、早晩、景気の持ち直しとともに、市況の底打ち観測が出てくるとみられます。しばらくは押し目を探ることになりそうです。

来週の注目点

機械受注(8月) 10月12日(月)午前8時50分発表 

機械受注統計によると、設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額は、6月に7年4か月ぶりの低い水準に落ち込んだ後、7月に前月比6.3%増の7,513億円となりました。製造業が同5.0%増、非製造業が同3.4%増と、いずれも回復の動きを示しました。

8月の機械受注は、前月比小幅減が見込まれます。7月に増加したとはいえ、4-6月期に落ち込んだ後の反動増としては勢いを欠き、設備投資に対する企業の慎重姿勢がうかがえます。新型コロナウイルスの世界的な感染継続を背景に、投資の正常化には遠い状況が続きそうです。

米消費者物価指数(9月) 10月13日(火)午後9時30分発表

8月の米国の消費者物価指数(CPI)は、総合で前年比1.3%上昇と予想を上回り、また、変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIも同1.7%上昇と、インフレが緩やかながら加速していることが示されました。

新型コロナウイルスの感染拡大は、依然、収束にはほど遠いものの、中古自動車価格、航空運賃などが上昇しています。ただ、米国の一部地域で再度の行動制限などを背景に、物価の動きは抑制された状態が継続するとみられます。9月は総合で前年比1.4%程度の上昇、コアは同1.8%程度の上昇を想定しています。

 

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