来週の金融市場見通し(2020年7月27日~2020年7月31日)

2020/07/22

■来週の見通し

欧州連合(EU)の首脳会議は5日にわたる協議の末、総額7,500億ユーロの復興基金案で合意しました。他方、米国ではトランプ政権が早期の成立を目指している経済対策第4弾についての協議が続いています。経済対策の内容や成立時期などをめぐり、振らされることも想定されます。また来週から本格化する国内企業の決算発表では、今期の業績見通しに注目が集まりそうです。米国の経済対策に加え、米中の対立や新型コロナウイルスの感染状況などを確認しながら、方向感を探る展開が続きそうです。

◆株価 :底堅い動きが持続

日本株は、底堅い動きが持続しそうです。欧州連合(EU)首脳会議で復興基金について合意に至ったことや、新型コロナのワクチン開発への期待を背景に、株式市場では足元、強気ムードがやや優勢です。また、米国で協議されている追加経済対策への期待も、株式市場をサポートする見通しです。ただ、ドル円の上値は重いとみられ、また、国内で新型コロナの感染拡大が続いているため、日本株の上昇は限定的なものになる見込みです。

◆長期金利 :上昇しにくい

長期金利は週初に0.02%に上昇したものの、新型コロナの世界的な感染拡大に対する警戒から、安全資産とされる債券に買いが入り、0.01%に低下する動きになりました。20年国債入札が順調な結果となったことも、長期金利を押し下げた模様です。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、事実上のゼロ金利政策や国債等を大量に買う量的緩和政策が維持される見込みです。コロナ禍で内外の金利は上がりにくい状況が続きそうです。

◆為替 : 徐々に下値を探る

欧州連合(EU)が復興基金について合意したのを受け、市場のリスクセンチメントが改善し株価が堅調に推移していること、ユーロドルが上昇基調にあることなどから、ドルは対円でもやや弱含んでいます。また、米連邦準備制度理事会(FRB)は2022年末まで政策金利をゼロ%近辺に維持する姿勢を見せていることから、米長期金利はやや低下傾向で推移しており、ドル円は緩やかながら下値を探る展開を想定しています。

◆Jリート :引き続き方向感を探る

東証REIT指数は手掛かりに欠ける中、小幅に上昇しました。観光支援事業「Go To トラベル」から東京都が除外されましたが、旅行需要が拡大すると安心感が広がる可能性があります。超低金利環境が続く中、相対的に高い分配金利回りに着目した買いが、引き続き市場を支えそうです。新型コロナの感染状況やオフィス需要、また「Go To トラベル」の効果などを確認しながら、方向感を探ることになりそうです。

来週の注目点

鉱工業生産指数(6月、速報値) 7月31日(金)午前8時50分発表 

鉱工業生産指数は5月に前月比8.9%低下し、78.7(2015年=100)となりました。外出自粛などによる内需の減少に加え、世界景気の後退に伴う輸出の減少を背景に、すべての業種で生産指数が低下しました。

6月の鉱工業生産指数は、前月比上昇に転じる見込みです。足元、国内外で経済活動が再開されており、内需・外需とも持ち直しの動きがみられます。ただ、新型コロナウイルスの感染は収まっておらず、生産水準が感染前の水準に戻るまでには、かなりの時間を要する見通しです。

米個人消費支出(6月) 7月31日(金)午後9時30分発表

5月の米個人消費支出(PCE)は、前月比8.2%増となり、過去最大の伸びとなりました。また、一方で米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ目標の基準としているPCE価格指数は総合で前年比0.5%上昇と2015年以来の低い伸びとなりました。

5月は経済活動の再開が進む中、政府の支援金もあり、個人消費は前月比で大幅な伸びとなりましたが、新型コロナウイルス感染拡大は継続しており、今後は予断を許しません。また、インフレ率も中長期的に低迷が予想されます。

 

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

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